こんにちは。
2024年8月10日、「夏目友人帳〜うつせみに結ぶ」(2018年公開)がNetflixで”見放題・初解禁&独占配信」されました。
「夏目友人帳」の世界に数年前から虜になってよく観ていましたが、劇場版「夏目友人帳〜うつせみに結ぶ」は見逃していましたので、早速夢中になって観てしまいました(笑)
『夏目友人帳』は、緑川ゆきさんによる漫画作品で、妖怪が見える高校生・夏目貴志が主人公なんですが、ある日祖母・レイコの遺品の中から「友人帳」を見つけます。この友人帳には、祖母のレイコが妖怪たちと勝負して奪った名前が記されています。
祖母といっても、アニメの中に出てくるレイコは女子高生だった頃の映像(回想シーン)が多いため、その後の人生は謎に包まれています。
レイコは好奇心旺盛で気高い女性として描かれています。また妖と話すことができたので周りの人たちからはミステリアスな女性と思われていたと思います。
劇場版「夏目友人帳〜うつせみに結ぶ」では、レイコと同世代の人たちとの関わりやレイコのことを本当はどう思っていたのかが盛り込まれていました。
そのシーンを見て「あー本当はそうだったんだ」って、驚くと同時にレイコがそれを知っていたらもう少し人との関わりが変わっていたのかなと。
「夏目友人帳」では、主人公の貴志が友人帳に名前を奪われた妖たちに名前を返すため、また友人帳を狙う妖たちから守るために、用心棒のニャンコ先生(斑)と共に様々な妖と関わりながら日々を過ごしています。
この物語は、妖との心温まる交流や冒険を描いていますが、今回は劇場版「夏目友人帳〜うつせみに結ぶ」のエンディングテーマ「remember」の歌詞にフォーカスを当てて意味をみていこうと思います。
劇場版「夏目友人帳〜うつせみに結ぶ」のあらすじって?
高校生の夏目貴志は、亡き祖母レイコから受け継いだ「友人帳」によって、妖とのトラブルに巻き込まれる日々を送っています。ある日、名前を返した妖の記憶に出てきた女性、津村容莉枝と知り合います。彼女はひとり息子の椋雄と穏やかな生活を送っていますが、彼女の住む町には謎の妖が潜んでいるような気配が。
その調査の帰り、ニャンコ先生が怪しい木の実を食べてしまい、なんと3つに分裂してしまいます。ニャンコ先生がどんなふうに元に戻れるのかも見どころですよ。
またレイコの高校生時代を知る女性・津村容莉枝と貴志との会話や彼女の趣味の作品の数々に癒されます。
でもなんと言っても、津村容莉枝とその息子・津村椋雄との切なくも胸を打つような関係性には涙を誘います。
「夏目友人帳〜うつせみに結ぶ」のキャラクターは公式サイトに詳しいです。こちらから↓
エンディングテーマ「remember」の歌詞を詳しく!(ネタバレを含みます)
ここから「remember」の歌詞の意味を見ていきますね。
夏の終わりを
出典元:Apple music「remember」
知らせるように
道端にそっと
並んで咲いた
夕にも染まらず
風も知らない
青い、青い
リンドウ

「夏目友人帳」の舞台は、熊本県の人吉市とその周辺地域です。人吉市は、熊本市から南に約70kmの場所に位置し、九州山地に囲まれた美しい盆地です。
YouTubeの熊本観光チャンネルでは、『夏目友人帳 ✖︎ 熊本県「人吉・球磨での優しい時間」』というコラボ動画があります。
人吉のことを貴志とニャンコ先生が紹介していますので、興味のある方はご覧になってくださいね。
「夏目友人帳」の主な舞台となる場所
人吉駅: アニメや漫画で頻繁に登場する駅です。実際の人吉駅も、作品の雰囲気を感じられる場所として人気です。
田町菅原天満宮: オープニングシーンのモデルとされる神社で、静かな雰囲気が特徴です。
雨宮神社: 長い階段が特徴で、パワースポットとしても知られています。アニメのオープニングにも登場します。
天狗橋: 夏目たちの通学路として描かれている橋で、球磨川の美しい風景が広がります。
「夏の終わりを
知らせるように
道端にそっと
並んで咲いた」
「青いリンドウ」
リンドウは秋(9月〜11月頃)に咲くと言われているので、
道端にリンドウが咲いていたというのは
夏の終わりを教えてくれる光景にぴったりな状況ですね。
傷つくことを恐れながら
出典元:Apple music「remember」
心を隠したりしたけれど
誰かがそばにいて
くれる温かさを
教えてもらったから
劇場版「夏目友人帳〜うつせみに結ぶ」の冒頭では、
小さい頃から妖怪の類が見える貴志が周りの人に
本来の自分の心を悟られないようにしてきた様子が描かれていました。
「傷つくことを恐れながら
心を隠したりしたけれど」
妖が見えることで人とは違う変わり者だと思われていた貴志。
親戚中をたらい回しにされていましたが、
心優しい藤原夫妻に引き取られることになりました。
「誰かがそばにいて
くれる温かさを
教えてもらったから」
塔子さんと滋さんは貴志を本当の息子のように育ててくれています。
映画の中で、ある妖の力のせいで貴志の周りの人の記憶が変化し始め
塔子さんや滋さんも貴志のことを忘れてしまうシーンがあったのですが、
こんなにも悲しいことなのって思ってしまいました。(実は夢でしたが)
優しい塔子さんと滋さんがそばにいてくれることが
こんなにも今の貴志にとって幸せな日々だったんですね。
さよならじゃない
出典元:Apple music「remember」
名も知らない
遠い場所へ
離れたとしても
記憶の中で
息をし続ける
「うつせみに結ぶ」の中のエピソードとして、
容莉枝と椋雄(むくお)親子の日々が描かれていました。
実際は、本当の息子を8年前に山の事故で亡くしていたのですが、
ホノカゲ(椋雄に成り代わっていた妖)が容莉枝さんのそばに
寄り添っていました。
ずっとこのままだったらいいのにって、思わずにはいられませんでした。
2人に別れの日が訪れます。
「さよならじゃない
名も知らない
遠い場所へ
離れたとしても
記憶の中で
息をし続ける」
一緒に過ごした日々の記憶を忘れてしまったとしても
心の片隅で生き続けていると信じたいです。
夜に埋もれて
出典元:Apple music「remember」
誰も知らない
遠い場所へ
迷ったとしても
記憶の中の
温もりをずっと
今を照らせるよう
映画の中で心に残ったシーンは、
容莉枝と椋雄(むくお)親子の最後の別れの場面です。
自宅の工房で多軌(たき・貴志の同級生)に切り絵細工を教えている時に、
椋雄が庭から母・容莉枝に声をかけます。
「行ってきます、母さん」
それに応えるように
「行ってらっしゃい、椋雄」と母。
何気ない日常の一場面でしたが、
揺れるカーテン越しの会話は2人の別れを暗示しているようでした。
「記憶の中の
温もりをずっと
今を照らせるよう」
容莉枝とほのかげ(椋雄)が暮らした8年間は
和やかで温かい日々。
それぞれ元どおりの生活になってしまうけれど、
これから先も道に迷うことなく明るい光を照らしていけたらいいですね。
遠くで聞こえる
出典元:Apple music「remember」
祭りの声は
関係ないんだって
そう思っていた
見たくもなかった
境界線が
寂しかった日々
「遠くで聞こえる
祭りの声は
関係ないんだって
そう思っていた」
友だちの楽しそうにはしゃぐ声。お囃子(おはやし)。
昔から自分には縁のない場所だって思っていた。
貴志の孤独が伝わってくるようなフレーズです。
「見たくもなかった
境界線が
寂しかった日々」
自分にしか見えない世界。
本当は見たくもないのに。
みんなと交わることができなくて寂しい想いをしてきた日々。
誰かの背中も
出典元:Apple music「remember」
追わなかった
時には嘘も
ついたけれど
守りたいものが
ここにできたこと
それがただ嬉しくて
「誰かの背中も
追わなかった
時には嘘も
ついたけれど」
妖が見える貴志はあまり自分から進んで友だちを作ろうとは思わなかったし、
塔子さんや滋さんに心配かけないようにと上手に嘘もついてきたのかもしれません。
また、妖のホノカゲもまた、いろんな街で人間の記憶を塗り替えてきたし、
容莉枝さんを欺いてきたと思われても仕方ないです。
でもそれは残忍なことではなくて、
「守りたいものが
ここにできたこと
それがただ嬉しくて」
自分がそばにいて容莉枝さんを守りたい、支えになりたいという優しい気持ちがあったからこそなんですね。
そして、貴志にとっての塔子さんたちの存在。
自分の能力を知ってくれている友人の田沼。
大切にしたい人たちができたことが何よりも幸せ、ですね。
さよならじゃない
出典元:Apple music「remember」
向かい合えずいた寂しさも
帰りたい場所が
ここにあるだけで
それだけで
強さに変わる
「夏目友人帳」ではよく食事のシーンが出てきます。
貴志たち家族3人の食事風景ってありふれたものかもしれないけれど、
これこそが穏やかで幸せだって感じる瞬間ですね。
食事風景にはすごく癒されます。
ニャンコ先生のおねだりも可愛いですが(笑)
「帰りたい場所が
ここにあるだけで
それだけで
強さに変わる」
人は、自分のことを受け入れてくれる場所があるだけでも、心が安定して強くなれる気がします。
愛されたいと本当は
出典元:Apple music「remember」
もがいていた
この孤独も涙も包むような
優しさに出逢えたから
妖のホノカゲは、自分の定めに疲れて大きな木のうろに隠れていました。
ホノカゲはどこへ行ってもそこにもともといた人のように溶け込むことができますが、
その場所を離れるとその人たちの記憶からは消されてしまいます。
ある日、ホノカゲは高校生のレイコに出会いました。
自分の嘆きたくなるような定めに対してレイコが肯定してくれたことに、
ホノカゲは救われたのではと感じました。
「この孤独も涙も包むような
優しさに出逢えたから」
レイコの予想していなかった返答のおかげで、
ホノカゲは今度は誰かの支えになりたいと思ったのかもしれないです。(個人的な感想ですが)
さよならじゃない
出典元:Apple music「remember」
例えばもう
会えなくなっても
きっとどこかで
笑っていると
心繋げて
さよならじゃない
名も知らない遠い場所へ
離れたとしても
記憶の中の
温もりをずっとずっと
忘れないよ
作成:Uru
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「会えなくなっても
きっとどこかで
笑っていると
心繋げて」
ここからのフレーズは、
ホノカゲの容莉枝さんに対する思いのような気がします。
たとえ椋雄がいなくなったとしても、容莉枝さんには笑っていて欲しい、って。
それとレイコさんと妖との関係でもあるのかな。
「記憶の中の
温もりをずっとずっと
忘れないよ」
「ほのかげ」という言葉は、「ほのか」と「かげ」を組み合わせたものです。「ほのか」は「わずかにそれと認められるさま」や「心や意識がぼんやりしているさま」を意味します。一方、「かげ」は「影」や「陰」を意味します。まとめると「ほのかげ」は「わずかに見える影」や「ぼんやりとした影」を指す言葉です。
映画のクライマックスでは、「ほのかげ」の名前のように
妖のホノカゲが空に淡く消えていく様子が描かれていました。
とても幻想的で心が温まるようなシーンでした。
そして、エンディングテーマ「remember」が流れて
ゆっくりと今までのストーリーを思い出すことができました。
上映時間1時間44分間。
ラストの余韻に浸る時間こそが、最高の贅沢な時間ですね。
まとめ
今回は劇場版「夏目友人帳〜うつせみに結ぶ」のエンディングテーマ「remember」の歌詞を詳しく見てきましたが、いかがだったでしょうか?
個人的な感想をもとにして、映画の内容と「remember」の歌詞をリンクさせてみたものの、「ちょっとどうなんだろう?」って思われるかもしれません。
「そんな考えもあるのかな」と思っていただけると嬉しいです。
劇場版「夏目友人帳〜うつせみに結ぶ」にぴったりのエンディング曲「remember」をまた一度聴いてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!