こんにちは。
こんなにも繊細で美しくて、それでいて音楽に対する熱い想いが満ち溢れているドラマ…「グラスハート」(Netflix)
劇中バンド”TENBLANK”は、佐藤健さんが演じる孤高の天才音楽家・藤谷直季と宮﨑優さんが演じる天才ドラマー・西条朱音。そして、町田啓太さんが演じるカリスマ的なギタリスト・高岡尚と志尊淳さんが演じる超絶スキルを持つピアニスト・坂本一至の4人から構成されています。
映像と音楽の魔法にかけられたように時間が経つのも忘れて、1話から10話まで一気見しました。
「グラスハート」は、まるでドキュメンタリー映像を観ているのかなと錯覚するくらいリアルな世界を表現されていて、心の震えが止まりませんでした。
最終話を見終わった瞬間は、”TENBLANK”と宮﨑優さんというスターが誕生するまでの道のりを一緒に伴走しききった感でいっぱいでしたよ。音楽ドラマの中では、最高傑作の一つにあげれるくらい、素晴らしかったです!
今回は、グラスハートで披露されたTENBLANKが歌う「旋律と結晶」の心に残った歌詞の意味をドラマの内容とリンクしながらみていきますね。
TENBLANK「旋律と結晶」の歌詞の意味を詳しく!(ドラマのネタバレを含みます)
ここでは、ドラマのタイトルとアルバムの曲名を、歌詞の意味をみていく前にまとめますね。
「旋律と結晶」はドラマ第2話のタイトル
「Glass Heart」というタイトルのアルバムの曲順と、ドラマの1∼10話のタイトルが全く一緒なのかなと思っていたのですが、ところどころ違っていました。
ただ、第2話のタイトルは、アルバムの2曲目なのでマッチしています。
ドラマタイトル | アルバムタイトル |
第1話:グラスハート(49分) | 1.MATRIX [作詞:清竜人 / 作曲:大濱健悟] |
第2話:旋律と結晶(41分) | 2.旋律と結晶 [作詞:野田洋次郎 / 作曲:飛内将大] |
第3話:約束のうた(41分) | 3.約束のうた [作詞:太志 / 作曲:大濱健悟] |
第4話:PLAY OUT LOUD(46分) | 4.Lucky Me [作詞:JAMIL KAZMI、CJ Baran / 作曲:CJ Baran、JAMIL KAZMI] |
第5話:シトラス(40分) | 5.シトラス [作詞:太志、NANa / 作曲:飛内将大] |
第6話:Vibrato(39分) | 6.PLAY OUT LOUD [作詞:川上洋平([Alexandros]) / 作曲:飛内将大] |
第7話:Lucky Me(40分) | 7.Chasing Blurry Lines [作詞:清竜人、JAMIL KAZMI / 作曲:飛内将大] |
第8話:MATRIX(44分) | 8.君とうたう歌 (feat. 櫻井ユキノ) [作詞・作曲:Yaffle] |
第9話:永遠前夜(54分 | 9.永遠前夜 [作詞・作曲:野田洋次郎] |
第10話:Glass Heart(33分) | 10.Glass Heart [作詞・作曲:野田洋次郎 |

どのシーンで「旋律と結晶」を
披露したの?
第2話の冒頭、菅田将暉さん演じる真崎桐哉が率いる”OVER CHROME”の前座で披露しました。
また、「グラスハート」第2話のラストで、朱音のスマホに藤谷から届いたデータ(mp3)に入っていた曲です。その音を聴きながら2話のエンディングへ…。
朱音の演技と楽曲とエピローグに境目が無く、音が流れるような演出はほんと心が揺さぶられました。
それと、ドラマ第3話の船上で流れる「旋律と結晶」はほんとすごかったです。こんな演出あるのって思うくらい、「映像と音楽の化学反応を実写でもやりたくて」(佐藤健さん)の言葉通りのシーンでしたね。
無限ループに落ちるくらい、やばいです、何回リピしたことか…笑
「旋律」と「結晶」の意味は?

「旋律」と聞いて思い浮かぶのは、時間の経過・雨音・木々が揺れるざわめきやもちろん楽曲たち。
一方、「結晶」はじっくりと時間をかけて作り上げるイメージ。例えば、雪の結晶やダイヤモンドのような美しい形を思い浮かべます。
でも美しいものだけではなく、「結晶」からは、努力や経験を積み重ねて出来上がった「成果」や「結果」という意味にもとれますね。
YouTube【Official Lyric Video】
「夢」か「現」仕分け作業
引用元:Apple Music「旋律と結晶」
そもそもどれだけの意味があんだっけ?

夢と現実には境目があるの?
TENBLANKに入った朱音にとって、レコーディングやMVの撮影・テレビへの出演など、まるで夢の世界に迷い込んだような感覚だったかも。
どこからが夢でどこからが現実なのか区別しよとしても、境目が分からないくらい毎日がふわふわしていたんじゃないかなと想像できます。
特に、ドラマの第3話でヘアメイクしてもらったあと、メンバーの前ではにかんでる朱音の表情、すごく可愛かったですよね。
朱音には現実に起こっている全てが新鮮で刺激的に感じてる中で、「そもそもどんだけの意味があんだっけ?」っていうフレーズのように、現実が夢のようだし夢が現実のようでもある気がします。
素晴らしいメンバーたち
「グラスハート」メイキング映像を観たのですが、思わず「えっほんと?」と声を出してしまいました。
それは、佐藤健さんや志尊淳さん、町田啓太さんに宮﨑優さんたちは、楽器の演奏がほぼ初めてだったのに、プロと見間違うくらいのクオリティに仕上げてるなんて。
いくら俳優だからと言っても魔法使いじゃないし、絶対無理でしょと思うくらいハイレベルの演奏の数々。
もしドラマで演奏シーンがあって、例えば出演者が演奏できないとしたら、そのシーンだけプロの人に演奏してもらって上手に編集するのが今までの常識だと思うんですよね。
ところが、「TENBLANK」の4人は俳優として役になりきるどころか、役を通りこして本物になった神業…すごすぎます!
雨粒たちが僕らの理解などはるか
引用元:Apple Music「旋律と結晶」
ゆうゆうと超える旋律でこの命を祝してる

美しい雨粒のシーンは?
このフレーズから連想される「グラスハート」のシーンは、やはりなんといっても第1話のスタート場面。落雷響く大雨の中で、傷心の朱音がたたくドラムと藤谷が引くピアノの音色はまるで師弟のセッションのよう。
お互いが必要としあっている、探し求めていた音がここに。共鳴し合う二人の魂…。
雨粒をはじきながら、2人だけの激しいレスポンスは見応えたっぷりですよ。
雨の共演のことを、のちに「俺は呼ばれたんだよ、朱音ちゃんの音に…」と藤谷が朱音に打ち明けます。
何度観ても、ほんと震えますね。
それともう一つ忘れられないのは、第1話での後半でずぶ濡れになった藤谷に朱音が傘を差しだすシーン。
君の傘の持ち方で優しさの意味の
引用元:Apple Music「旋律と結晶」
すべてを知った

朱音は先生が怒ってどっかに行っちゃったんじゃないかって、心配して藤谷を探し回ります。
このフレーズは、今にも魂の灯火が消えてしまいそうな先生に、朱音がやさしくそっと傘を差してあげるシーンを思い出させてくれますよ。
「君の傘の持ち方で」と歌っているので、藤谷が朱音ちゃんの優しさを理解したと解釈するのが自然かなと思います。そのあとに続く歌詞からも、藤谷の気持ちを歌い上げているんだと理解できます。
だけど、ドラマの第3話のクライマックスを観ていると、
次のようにも受け止めたくなります。
ここだけ朱音の気持ちにおきかえてみる…
朱音が完成した「旋律と結晶」のMVを見ていたときの表情から、朱音自身にも当てはまるなあと思いました。
「そうだったんだ、私、この人のことが好きなんだ」って。(朱音の気持ち)
雨の中で傘を差した自分の姿や他の先生(藤谷)とのシーンがフラッシュバックしていく中で、朱音は自分の行動一つひとつが先生に向けられたものだったんだと初めて気づいた。
それはまるで、朱音自身が「優しさの意味のすべてを知った」ということにもなるのかな。
前後の文脈を考えずに、このフレーズだけ切り取ってみたらですけどね 笑
ときに人って、自分の本心にうすうす気づいてるけど、「まさか、違う」とか「そんなの関係ないし」とネガティヴの上書き保存をやりがち。
でも、気持ちの点と点が繋がっていくとき、自分の気持ちに素直になれるのかもしれないですね。
※話がちょっと逸れちゃいましたが 笑
「怖くない」と言えること
引用元:Apple Music「旋律と結晶」
「怖い」と口に出せること
どちらがほんとの強さか
はじめて知ってしまった僕たちは
どちらが本当に強いと言えるのだろう?
藤谷は、周りから天才と呼ばれ表面的には自信に溢れているように見えるけど、心の中では実は不安や孤独を抱えている状態なのかもしれないです。
いつも自分を追い込んで、限界ぎりぎりのところで戦っていますものね。
「怖くない」と言えること」は、自分の不安な気持ちを隠して言い繕ってる感じがします。藤谷は一人っきりで音楽をやってた時は、たとえ不安であっても「怖くない」って言わなくちゃいけない。
それに比べて、「「怖い」と口に出せること」というのは、自分の弱さや恐れを素直に認められる状況なのかな。
藤谷が過去、人に裏切られて「自分でも気が付かないうちに壊れて」しまっていたので、人を簡単には信じられなかったのでは。
だけど今は、TENBLANKの4人がいれば、たとえ不安で仕方なくてもきっと乗り超えられるんだろうな。だから、「「怖い」と口に出せること」の方が強いのでしょうね。
ここでは、「僕は」ではなくて「僕たちは」と歌っているのは、藤谷も朱音も坂本君と高岡もきっと同じ気持ちだから。
「いつの間にか俺のシェルターになってた」(第8話坂本君の言葉)
もしかしたってもしかしなくたって
引用元:Apple Music「旋律と結晶」
月は太陽に見つかる
そんな2人が僕と君だなんて

藤谷と高岡との出会い
このフレーズは、きっと藤谷(佐藤健さん)と朱音(宮﨑優ちゃん)のことを歌っているのかなと思うのですが、他のメンバーとの出会いもまとめてみますね。
🔷藤谷と高岡との出会い
藤谷がゴスペルシンガーの男性(演:ゴードン・イポリトさん)と一緒に、路上セッションをしているときに、偶然高岡が通りがかり藤谷と運命的な出会いをします。
その時藤谷が歌っていた曲が、「Time After Time」でした。

「Time After Time」ってどんな曲なの?
とても素敵な曲なので調べてみました。
引用元:Wikipedia
藤谷と坂本君の関係
かつて坂本くんは藤谷にスカウトされたとされていますが、高岡とのエピソードのような詳しい描写はなかったように思います。(見落としているかもしれませんが…)
でも、坂本君はまぎれもなく藤谷の大切なパートナー的存在。
2人の関係性を表している会話がこちら。
第9話で、藤谷が新しく作った曲を聴いた後に坂本君が藤谷に言った言葉
「傷つけられたっていいんだよ、俺はあんたにだったら」
・・・・
「俺は、俺の音でアンタを連れて行くから」
「勝手にいなくならないでよ」
坂本君の素直な気持ちが痛いほど伝わってきて、胸がぎゅっと絞めつけられるようなシーンですね。
朱音が先生(藤谷)の音に巡り逢ったように、TENBLANKの4人は出会うべくして出会ってしまったのでしょうね。
君の肩の震え方で悔しさの
引用元:Apple Music「旋律と結晶」
本当に意味を知った
僕は正しさも忘れ無我夢中で
君を抱き寄せた
作成:MASAJORO TOBINAI,
Youjiro Noda

朱音の気持ちが伝わった瞬間
朱音は先生(藤谷)の横でいつまでも歌を聴いていたいし、TENBLANKが解散してほしくないって思ってる。
でもそんな想いとは裏腹に、自分のせいで先生(藤谷)に無理させてしまったと責任を感じている朱音。
すべての悔しさやふがいなさを取っ払って素直になれた時、初めて二人の想いが通じ合ったんですね。
ほんとに、心臓の鼓動の音が聞こえるんじゃないかなって思えるくらい、どきどきしたシーンでした。
まとめ
今回は、「グラスハート」で披露されたTENBLANKが歌う「旋律と結晶」の心に残った歌詞の意味をドラマの内容とリンクしながらみてきましたが、いかがでしたでしょうか?
ドラマ「グラスハート」は美しい映像と本物の音楽が混ざり合い、どこを切り取っても観る人の心をつかんで離さないし、その瞬間が永遠に感じられるくらい丁寧に織り込まれています。
アルバム「Glass Heart」に収録されている曲はすべて大好きなのですが、まずは「旋律と結晶」の内容を深掘りしてみました。
劇中バンドがリアルなバンドとして誕生していくプロセスを見れるなんて、ほんと幸せだなあと思います。これからも応援していきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!