あいみょん「ビーナスベルト」歌詞に隠された2重の意味は?恋の始まりは切なくて懐かしい

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あいみょんが7年ぶりにノンタイアップで放つ「ビーナスベルト」。

その印象的なタイトルは、日没直後に空に現れる淡いピンク色の光の帯という自然現象から名付けられました。

毎日(晴れの日)見ているはずの(本当は、意識していなかったです)光景なのに、あーそんな素敵な名前があったなんて知らなかったです。本当に淡くて優しい色ですよね。

何気なく見ていた光景も楽曲としてこの世に産み出してくれるあいみょん、ほんと素敵でしかない。

どうしてあいみょんはこの言葉を選んだのかな?

30歳になって初めて作ったこの楽曲に込められたあいみょんの想いは?

気になることがたくさんありますよね。

今回は、あいみょんが歌う「ビーナスベルト」歌詞に隠された二重の意味を考えてみます。そして、恋の始まりはどうして切なくて懐かしくなるのかを、歌詞を紐解きながら意味をみてみますね。

目次

「ビーナスベルト」歌詞を詳しく!

おとぎ話に出てきそうなファンタジックなMV。「ビーナスベルト」の世界観にぴったりですね!

ここから歌詞の意味をみていきますね。

※個人的な感想をもとに歌詞の意味をまとめています。「そこはちょっとちがうかも」と思われるかもしれませんが、「そんな考えもあるのかな」と思っていただけると嬉しいです。

夕方に語りかける鳥のように
ただ囁くくらいでいいから
心を読み聞かせて欲しい
むかし、むかし、
ある所で出会った2人みたいに

引用元:Apple Music「ビーナスベルト」
夕日が沈む前に鳥が飛んでいる光景
image Illustration/ heartful life salon

「ビーナスベルト」の意味は?

まずは、自然現象・神話・色のイメージの3点からまとめてみますね。

自然現象として

ビーナスベルトとは、日の出前や日没直後に、太陽と反対側の空に現れる淡いピンク色の光の帯のことです。

見られる時間は、日の出前・日没後のわずか10〜20分間しかないそうですよ。

🔶ビーナスベルトが見られる場所は、太陽と反対側の空

日没時(夕方) → 東の空に見える

日の出前(早朝) → 西の空に見える

追記:「これがビーナスベルトなの?」と思って撮った1枚です(10月29日)

ビーナスベルトの画像
My photo/ heartful life salon

確かに、太陽が昇る瞬間に西の空に見えてました。ほんと自然現象って不思議ですね。

神話的な解釈

ギリシャ神話の女神アフロディーテ(ローマ神話のビーナス)がつけていた帯「ケストゥス(cestus)」に由来します。

この帯には、「恋情をそそる飾り」がついていたと言われています(どんな飾りなんでしょうね…笑)。

色彩のイメージ

ビーナスベルトの色合いは、淡いピンク、薄紫、オレンジのグラデーション

この色彩からは、癒しや安らぎ・温もりが感じられます。

これから始まる物語

まるでこれから物語が始まるようななんとも優しい歌いだしです。

心を読み聞かせて欲しい
 むかし、むかし、
 ある所で出会った2人みたいに

小さい頃から何度も聞いてきた言葉。

「むかし、むかし、あるところに…」昔話や童話の定番フレーズですが、これを聴いた瞬間に「懐かしさ」のスイッチがはいるような魔法の言葉です。

あいみょんの優しい歌声と語りかけるような曲調、そしてノスタルジックな光景が交錯して、歌が始まるのと同時に懐かしい気持ちで満たされていきます。

絵本が大好きな私には、たまらない構成です 笑

でも、童話じゃなくてまぎれもなく恋の始まりのお話。

今から始まるのに、もうすでに「懐かしい記憶」だなんて、なんとも不思議で時間軸がどこにあるのかもわからないけれど、Aメロから心をわしづかみされちゃいます。

約束はもう果たせないかな?
君の気持ちはどこか新しい場所で
はじまりの合図鳴らしてしまったの?
なのに何故今僕の元へ会いに来たの

引用元:Apple Music「ビーナスベルト」
男女が久しぶりに出会った光景のイメージ
image Illustration/ heartful life salon

不安な問いかけ

約束はもう果たせないかな?

まだ何も始まっても無くて約束もしていないのに、未来が失われている感覚になるようなフレーズです。

どうしてそんな不安な問いかけをするのかなと考えてみました。

恋の始まりには、恋の終わりの予感がするときがあるのと似ているような。ビーナスベルトが10分~20分しか見えないように、何事も始まりには終わりがあるんだよという意味かもしれません。

だから、約束する前から約束は果たせない場合もあるかもと考えるとすごくしっくりきます。

この恋も、「むかし、むかし」って語られるような過去になっても不思議じゃないですね。

揺れる気持ち

君の気持ちは~会いに来たの

あなたは私の知らない場所で、誰かと恋を始めてしまったの?

だけど、どうして僕(私)のところにきてるの?

まさしく、恋が始まるかどうかの境界線ですね。

複雑な感情を、決して説明ぽくしない…ほんとあいみょんってすごいなあ

明らかに染まる君の頬
泣いたりしたんだろうな
隠せてない
崩れた砂場に残る跡
蹴り飛ばした想いを教えて

引用元:Apple Music「ビーナスベルト」
公園の砂場のイメージ
image Illustration/ heartful life salon

「染まる」には2つの意味が重なっている?

明らかに染まる君の頬
 泣いたりしたんだろうな
 隠せてない

2つの意味の重なりを考える前に、あいみょんがどうおっしゃっているのかをインタビュー記事からみてみますね。

🔶<明らかに染まる 君の頬>をタイトルでも回収したいとは思っていて、泣いたから顔が赤いのと、あと空の光に照らされて赤いのは、普通に考えれば夕焼けじゃないですか。(中略)でもオレンジじゃないねんなと思って、家にある空辞典とかネットで調べたときに出てきたのがビーナスベルトで」(あいみょん公式サイトインタビュー記事より抜粋

君が泣いたかもしれないから、頬が赤く染まっているのかな。

そして、その時の情景が夕陽の赤色ではなくて、太陽の光を反射したような淡いピンク色(ビーナスベルト)だったからその色に頬が染まっていたのかな。

なので、2つの意味が重なっていると読み取れますよね。

もしも、歌詞の内容が赤い頬だったとしたら、強い気持ちが前面に出過ぎるので、恋の始まりには合っていないと思われたのかもしれないです。

泣いてたのはバレてるかもしれないけど、少し感情が落ち着いてきたから頬が赤ではなくピンク色…揺れ動く感情にぴったりですね。

ストーリーの一貫性

Aメロで、これから物語が始まるから聴いてねという想いが伝わってくるので、ここで砂場の情景が出てくるのはとても自然で心地いいです。

あいみょんがインタビューで次のようにおっしゃっていて、「ああ…だからナチュラルなんだなあ」って感じました。

「その情景からの連想ですよね。<崩れた砂場に 残る跡>で、登場人物が2人いるから、「じゃあ、この2人は公園の東屋で喋ってるのかな?」みたいな、自分の曲なんですけど、謎解きみたいに作ってる部分もあります(笑)」
あいみょん公式サイトインタビュー記事より抜粋

あいみょんの楽曲は、歌詞に書かれている情景がちゃんと連想できるから、自分ごととして受け止められるし、自分の生活の一部になっていくんですよね。

いろんな感情から逃げずに向かい合われてるからこそ、こんなにもたくさんの名曲を作り出されているんだなあ。

リアルタイムであいみょんの曲が聴けるって、最高に贅沢だし幸せ。
  

つまり僕にまだ可能性が有ることも
君の表情見てれば分かったよ
卑怯な女だって思われるのが怖い事も
新しい場所が気になる事も

引用元:Apple Music「ビーナスベルト」
女性が切なそうな表情をしているイメージ
image Illustration/ heartful life salon

歌詞の中に隠れる2重スタイルって?

「ビーナスベルト」は恋の始まりの曲だということで、歌詞の内容は「男性目線なの?」「女性目線なの?」の2重スタイルで考えてしまいます。

今の時代、どちらでもいいんだよと思われるかもしれませんが、「ビーナスベルト」の世界観に浸って考えてみますね。

その前に、あいみょんが次のようにおっしゃっていました。

「女性なら女性目線、男性なら男性目線の曲の方が書きやすいはずなのに、なんで?」って。でも私は男性目線なんですけど、女性軸で書いてるつもりなんですよ。ときどき「なんで男の気持ちがわかるの?」って言われるけど、それは男から言われたことを逆転させて書いてるからで、私はそこに面白さがあると思っていて…」
あいみょん公式サイトインタビュー記事より抜粋

歌詞は、男性目線で書いているけれど実は女性軸なんだよって。なるほど!

「僕」と「女性」の気持ちを考えてみると

では、このセクションのフレーズから考えてみますね。

つまり僕にまだ可能性が有ることも

これは男性が女性に対して抱いている希望だと受け止められます。でも、あいみょんは、男性目線だけど女性軸と言われているので、次のように解釈できるかも。

女性が、あなた(男性)に対して、自分を選んでくれる可能性あるんだろうかというか・・・。もし願いが叶うなら自分を選んでほしいと思っているのかな。

だからこそ、

卑怯な女だって思われるのが怖い事も
 新しい場所が気になる事も

このフレーズのように女性の揺れる気持ちが、ぐっとクローズアップされます。

正直辛いけどちょっぴり慣れてる
それも切ない気がして悲しくなるけど
それを突き抜けるほど期待してしまう
まだ帰らないでいてほしい

君に君に

引用元:Apple Music「ビーナスベルト」
男性が切なそうに下を向いている
image Illustration/ heartful life salon

そして、切ない気持ちが

このブログ記事のタイトルに「恋の始まりは切なくて懐かしい」と入れたのですが、このセクションで切なさが倍増してきます。

今2人の間に恋心が芽生えるのかなどうなのかなというのを想像すると、始まるかもしれないし、そうならないかもしれない。

だから、ここでは「ちょっと辛いけど慣れてるんだよ」と言ってるのかもしれません。

それも切ない気がして悲しくなるけど
 それを突き抜けるほど期待してしまう

目の前にいる男性を見て、こちら側にいる女性が切ない気持ちでいるのがすごく伝わってくるフレーズですよね。

だからここにいてほしいと歌っている…恋に発展したらいいなって。

まさしく恋の始まりですね。

ゆるやかに伸びるこの坂の
終わりなんて無くたっていいのにな
何話してたか分からなくなって
笑っちゃったの覚えてる?

引用元:Apple Music「ビーナスベルト」
坂道を夕陽が照らしている光景
image Illustration/ heartful life salon

この時間がずっと続けばいいのに

終わりなんて無くたっていいのにな

きっと、坂の終わりで帰る方向が違うのかもしれなくて、楽しい時間がそこで終わってしまうのはいやだなあと心の声が聞こえてきそうなフレーズですね。

「ずっと2人でこうやって歩いていたい」なんて考えて歩いていたから、何話してたのか分からなくなるのかも。

何話してたか分からなくなって
 笑っちゃったの覚えてる?

本当に、ピュアさが押し寄せてくるようなフレーズですね。どきどきが溢れています。

僕ら何度だってすれ違った
何度だって離れたんだ
今もただ試練を与えられてんだ
きっと

引用元:Apple Music「ビーナスベルト」

何回も同じようなことが

今までだって、2人は気持ちがすれ違って離れたり、上手くいきそうで行かなかったり…。

2人の関係が友達以上になかなかなれなくて。

今回もきっとそうなんだろうなあと歌のヒロインは感じているのかもしれないですね。

だから、恋が始まりそうで始まらないような感覚になっちゃいます。

ビーナスベルトを見れる時間や条件が限られているように、恋の始まりの瞬間はいろんな偶然の重なりがあって初めて、実現するものなんでしょうね。

明らかに染まる君の頬
泣いたりしたんだろうな
隠せてない
崩れた砂場に残る跡
蹴り飛ばした想いを教えて

ゆるやかに伸びるこの坂の
終わりなんて無くたっていいのにな
何話してたか分からなくなって
笑っちゃったの覚えてる?

明らかに染まる

作成:aimyon

引用元:Apple Music「ビーナスベルト」
夕陽を見つめる女性のイメージ
image Illustration/ heartful life salon

ラスト「明らかに染まる」で終わるのはなぜ?

最初のサビで「明らかに染まる君の頬」と歌っているので、ラストも「君の頬」まで歌いそうなのですが、違いますよね。

どうしてなのかな?

答えを出さないということは、まだこの恋のゆくえはわからないという意味なのかもしれないです。

でも、タイトル「ビーナスベルト」に思いを寄せるとしたら、恋が始まる可能性はあるというか今まさにその瞬間なんだよと言ってくれてる…。

もう、完璧な締めくくりですよね。

恋の始まるストーリーを美しい情景とともに言語化されて、「おーそうきたか」って。どこかのドラマの主人公が叫びたくなる気持ちになっちゃいました (べらぼうの見過ぎですが)笑。

まとめ

今回は、あいみょんが歌う「ビーナスベルト」歌詞に隠された二重の意味を考えてみました。そして、恋の始まりはどうして切なくて懐かしくなるのかを、歌詞を紐解きながら意味をみてきましたが、いかがでしたでしょうか?

この曲を初めて聴いた時に、すごく懐かしい気持ちになるとしたら、恋の始まる時の感情がすごく共感できるからなのかなと思います。

あいみょんが、30歳になって初めてつくられた曲「ビーナスベルト」は、原点回帰のようなそれでいて新しい何かが始まるような予感をさせてくれるような曲ですね。

MVのラスト、あいみょんが気球から見ている世界をこれからも一緒に見ていけるといいなあと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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