こんにちは。
2024年3月15日、藤井風さんが歌う「満ちてゆく」が
リリースされました。
この曲は、3月22日公開の映画「四月になれば彼女は」の主題歌です。
映画『四月になれば彼女は』は、45万部突破のベストセラー恋愛小説を原作とした作品で、10年にわたる愛と別れを描いたラブストーリーです。
原作「四月になれば彼女は」(川村元気 著)を読みましたが、
”恋愛なき時代の恋愛小説”と表現されるように、
本当の恋愛とはなんだろう・・・
人を愛する意味とは・・・
どうしたら心が満ちてゆくのかななどと
深く考えさせられた小説でした。
映画では、ウユニ・プラハ・アイスランド・日本の美しい風景が撮影されているとのことで、物語の進行とともに映像の美しさも見逃せないですね。
公開が楽しみです
「四月になれば彼女は」という題名を調べたのですが、
サイモン&ガーファンクルというユニットのセカンドアルバム[Sound of Silence」に収録されている「April Come She Will」(四月になれば彼女は)からの着想なのかなと思いました。
映画『四月になれば彼女は』はまだ公開前(2024年3月19日現在)なので、
この曲がどこかのシーンで流れてくるかどうかはわかりませんが、
60年近く昔の曲の世界観と令和6年春に描かれている映画の中に
漂っているものってなんだろうと、
考えてみるもの興味深いですね。
また、公開されたら映画見てきますねー
この映画の主題歌は、藤井風さんが歌う「満ちてゆく」です。
今回は、映画『四月になれば彼女は』の主題歌「満ちてゆく」の歌詞の意味について、原作と藤井風さんMVの2ヴァージョンから考えてみようと思います。
「四月になれば彼女は」のキャスト&あらすじ
・藤代俊役:(佐藤健)・・・都内の大学病院に勤める精神科医。突然失踪した婚約者・弥生の姿を探し求めます。
・坂本弥生役(長澤まさみ)・・・動物園に勤める獣医。愛しあっていたはずの藤代を残し、姿を消してしまいます。
・伊予田春役( 森七菜)・・・藤代の初恋の相手。出逢ってから数年後写真を撮りながら世界中を旅し、藤代(フジ)に手紙を送ってきます。
・タスク役(仲野太賀)・・・藤代が通うバーの店長。親友であり、恋愛に悩みを抱えています。
・ペンタックス役:(中島歩)・・・大学時代の写真仲間。写真部部長を務めています。
・坂本純役:(河合優実)・・・弥生の妹。姉の恋人・藤代と危うい関係になりかけたことがあるが、姉・弥生の個性的な恋愛感情を理解している存在。
・小泉奈々役:(ともさかりえ)・・・主人公・藤代の勤める大学病院の同僚であり、医師として働きながら、愛情あふれるシングルマザーとして子育てにも奔走する人物です。
・伊予田衛役:(竹野内豊)・・・春(ハル)の父親。
主人公の精神科医・藤代俊は、結婚を控えた中で、かつての恋人・伊予田春から突然手紙を受け取ります。手紙は「天空の鏡」と呼ばれるウユニ塩湖から送られ、10年前の初恋の記憶が綴られていました。
その後も世界各地から春の手紙が届きますが、同時に藤代は婚約者の坂本弥生が突然姿を消すという謎に直面します。
映画は現在と過去、日本と海外が交錯しながら、愛する人を探し求める藤代の旅を描いています。監督は山田智和さん、主演は佐藤健さん、長澤まさみさん、森七菜さんが務めています。
山田智和監督の作品は数え切れないほどありますが、
ミュージックビデオの中の代表作は、米津玄師さんの「Lemon」「Flamingo」「Lady」などやあいみょんの「マリーゴールド」「今夜このまま」「桜が降る夜は」「愛の花」などが有名です。
ドラマでは「トーキョー・ミッドナイト・ラン」(2016年)(二階堂ふみ主演)や「青と僕」(2018年)などありますよ。
「満ちてゆく」の歌詞を詳しく!
①「満ちてゆく」は、藤井風さんによる配信限定シングルです。この曲は、映画『四月になれば彼女は』の主題歌として制作され、2024年3月15日にリリースされました。曲調は、感情豊かなバラードスタイルで、歌詞には始まりと終わり、愛の本質についての深い洞察が込められていま。 また、彼が映画を観た後に書き上げたとされ、愛と人生の移り変わりを表現しています。
②歌詞には、時間の経過と共に変化する感情や状況が描かれており、終わりが来ることを受け入れつつも、新たな始まりや希望に向けて心が満たされていく様子が歌われています。この曲は、藤井風さんの15作目のシングルとして、彼の音楽キャリアにおいても重要な位置を占めています。
※ここから歌詞の意味を見ていきますね。「その意味ちょっと違うかも」と思われるところがあるかもしれませんが、「そんな考えもあるのかな」と思っていただけると嬉しいです。
(2人で海外旅行に出掛けるイメージ図)
“いつも自分を外に連れ出してくれていたのはハルだった”(藤代の回想)「四月になれば彼女は」原作より
この恋が永遠に続くと信じて疑わなかった日々。
原作では、藤代(フジ)の父親は、あまり誰かと
心を通わせようとすることがなかったと
思い出すところがあったのですが、
もしかしたらフジも似たところがあったのかなと思いました。
フジは、ストレートに愛を伝えてくるようなハルの存在に
助けられていたんだと、過去形として振り返っていました。
「全て終わりが来る」
二人の結末を物語っているようなフレーズだと感じました。
藤井風さんのMVでは、どう描かれているの?
藤井風さんが演じるMVでは、
ただ単なるラブソングではなく、
愛には様々な形があることを教えてくれているようでした。
私では到底、解説できないようなとても深い内容でしたので、
歌詞を読み解くのは難しいのですが、自分なりに
考察してみますね。
MVの冒頭のワンシーンですが、
風さん自身の英語のナレーションが入ります。
things change and we can do
nothing about it.
変わりゆくものは仕方がないねと
Just letting go,
feeling lighter,
and becoming filled
Overflowing
手放す、
軽くなる、
満ちてゆく
満ちてゆく
(白髪の紳士が筆記しているイメージ図)
冒頭のシーンでは、
白髪の紳士が自分の過ごしてきた日々を
回想しているような印象を受けました。
泳いでるシーンやタクシーに乗って移動するような場面や
ピアノを弾いているシーンが走馬灯のように
頭の中を巡っていきます。
「走り出した午後も
重ね合う日々も
もしかしたら取引先のところを回って
仕事が忙しかった日や
日々経験したことなど、時間が積み重なっていく様子が目に浮かびます。
「全て終わりが来る」
たとえどんなに忙しく充実した日々だったとしても
必ず終わりが来ることは
誰一人として避けることはできないって
言ってるようですね。
「あの日のきらめきも
淡いときめきも
あれもこれもどこか
置いてくる」
自分が充実した日々を送って輝いていた頃や
誰かに抱いた淡い恋心も
全て記憶の片隅に置いているんだって
伝わってきます。
原作からこの歌詞の意味を考えてみると・・・
「それで良かったと
これで良かったと」
過去には色々とあったけれど、
自分が選んできた道が正しかったんだと
まるで自分に言い聞かせているようですね。
例えば、藤代(フジ)がハルと別れたこと。
そんなに燃えるような恋心はないけど、
弥生(フジの婚約者)とこれから結婚するもの正しい選択だって。
原作「四月になれば彼女は」の中に、
次のような一文がありました。
「弥生の気持ちの前に、自分のことがわからない」(フジの感情)
引用元:原作「四月になれば彼女は」(川村元気 著)より
自分の気持ちが分からないからこそ、
成り行きに任せていくことで
自分を納得させているのかなと感じました。
藤井風さんのMVから歌詞の意味を考えてみると・・・
「それで良かったと
これで良かったと」
というフレーズが歌われているシーンでは、
あるフロアで数人の人たちがディスカッションしてるような映像でした。
(みんなに話を聞いてもらってるようなイメージ図)
もしかしたら、よく海外ドラマで見られるような
断酒会のような集まりなのかなって思いました。
主人公の老人や周りの人の表情が
少し神妙な感じでしたので。
個人的な考察なので、全然違ってるかもしれませんが(汗)
たとえば、この場面ではアルコール依存症の主人公が
それを乗り越えるために、自助グループの皆さんと
トークをしている様子を描かれているような気がしました。
この集まりが終わった後に、一人の女性の姿が。
きっと今は亡き母が見守ってくれてたかのようでした。
「健やかに笑い合える日まで」
みんなで話しているうちに、
老人や周りの人からも笑みが溢れていたように、
辛い過去や失敗談なんかを聞いてもらうことによって、
笑顔で話せる時が来るのかなって思いましたよ。
(プラハの時計台の写真を撮っているイメージ図)
「明けてゆく空も
暮れてゆく空も
僕らは超えてゆく」
朝陽が昇って、夕方になったら陽が沈むという
自然の法則があるように、
あらがうことなく僕たちは乗り越えていくんだよって
伝わってきますね。
原作の中で、ハルが世界中の美しい風景の写真を
撮りに行った情景が、このフレーズから目に浮かぶようでした。
チェコのプラハからのハルの手紙の中には、
「愛している、そして愛されている。
そのことを確認したいと
切実に願う」
引用元:原作「四月になれば彼女は」(川村元気 著)より
という一文がありました。
深くそう願っていたのに、
二人は別れてしまった。
この状況と、
「変わりゆくものは
仕方がないねと」のフレーズが
とても、私の中でしっくりきました。
藤井風さんのMVから歌詞の意味を考えてみると?
(グランドピアノを弾いているイメージ図)
MVの中で、ピアノを弾いているシーンで
微笑んでいる同年代の女性(母親?)が座っていました。
多分、2番の歌詞の映像から想像すると、
その人はもうこの世にはいないのだけど、
もし生きていたらここに座って、
自分のことを見守っていたんじゃないかと
主人公の老人が思い描いてるのではと思いました。
「手を放す、
軽くなる、
満ちてゆく
満ちてゆく」
自分が抱いていた淡い感情を
手放すことによって、
自分の気持ちは軽くて楽になるって
意味のような気がします。
今まで心の中を埋めていたものがなくなると、
そこには穏やかな新たな感情が流れ込んできて、
満たされていくってことなのかなと思いました。
すごく奥が深い歌詞ですね。
(相手のことに無関心な様子のイメージ図)
このフレーズからは、原作の次のような
状況が思い浮かびました。
獣医師の弥生と出会って付き合い始めた頃は、
とても新鮮で触れ合うことも多かったけれど、
月日が経つにつれて、弥生がしてることや
考えていることに正面から向き合おうとしてない藤代(フジ)。
それは、弥生のフジに対する次の言葉から感じました。
「一緒に見た映画覚えてる?」「今何を考えてる?」「いま楽しい?」(原作「四月になれば彼女は」の弥生のセリフ)
それが、
「手にした瞬間に
無くなる喜び
そんなものばかり
追いかけては
無駄にしてた”愛”
という言葉」
というフレーズから連想されましたよ。
藤井風さんのMVから紐解く歌詞の意味って?
(忙しく仕事をしているイメージ図)
この2番の歌詞の部分では、
主人公が青年だった頃、日々仕事が忙しく
営業で飛び回っている様子が描かれています。
仕事で成果を上げることに喜びを感じているけど、
そんな喜びは目標を達成した途端に
意味もなくなくなってしまうって
歌ってるようですね。
「無駄にしてた
”愛”という言葉
今なら本当の意味が
分かるのかな」
仕事に生きることが
自分の生きがいだと思ったり、
そこに”愛”・・・喜びがあると思ったりしていたけれど、
本当は違ってたと後悔しているように感じました。
だからこそ、今の自分(年月を重ねてきた)だと
本当の愛の意味がわかる気がすると
主人公が言っているようですね。
一時的な幸せを追い求めるのではなくて、永続的な幸せが大切なんだよって
このフレーズから
認められたいために
尽くしていくのは違うんだって感じました。
その対象が好きな人であっても仕事だとしても・・・
その結果、行き詰まって心も体もボロボロになってしまう。
自己犠牲的な愛ではなくて、
真の愛情を求める心情を歌っているようですね。
だから、「カラカラな心にお恵みを」って。
本当にこのフレーズが心に染みました。
藤井風さんは、類稀(たぐいまれ)なる才能の持ち主だって
私は思っているのですが、
この紡ぎ出された言葉の数々や表現力のセンスが
素晴らしくてため息が出ちゃいます(笑)
もちろん、いい意味で
このフレーズからのMVの内容がすごく意味深いので
MVの映像と照らし合わせて、歌詞を考察してみますね。
仕事でうまくいかない主人公は、
ストレスを発散させるために
深酒をしてしまいます。
バーで酔い潰れてトラブル起こした帰りに
一人の女性(母親)と目が合います。。
でも、見かけただけで
幻想だったかもしれませんが。
母を探して回る姿に胸が打たれました。
私も、もう母親がいないので
夢の中で探したり、
ふと目が覚めてもうこの世にいない現実を知ったり。
藤井風さんが演じるこのシーンに
自分を重ね合わせて泣きました。
「何もないけれど
全て差し出すよ」
僕は何をやってもうまくいかないし、
何も持ってもいないけれど、
僕の全てを差し出すよ、あなたに。
こんな心の声が、主人公から聞こえてくるようなシーンでした。
自分のしがらみを全て手放すと、
心が軽くなって、
自分の心は本当の愛で満たされるような気がするという感情が伝わってきました。
(愛おしい人に出逢うイメージ図)
「開け放つ胸の光
闇を照らし道を示す」
心を開放し、自分の内なる光を解き放すと、
その光が困難や不確かなものを乗り越える道しるべに
なるんだよと。
「やがて生死を超えて」というフレーズは
時が経つにつれ、物質的な存在の限界を超えいくという
意味なのかなと思いました。
「繋がる」というのは、
色々と意味があるかもしれませんが、
例えば、終わりと始まり、過去と未来、生と死が一つに繋がること・・・
この歌詞からは、人間の精神的な成長や、
困難を乗り越えていく力強さを感じます。
また、人と人との絆や、宇宙との繋がりを感じさせる
深いメッセージが込められているようですね。
MVの中で、
小さい頃母と一緒に行った楽器店。
主人公は行き詰まってどうしたらいいのか分からなくなって、
その思い出の場所にもう一度行ってみます。
母が弾いてくれたピアノを弾くと、
優しかった母の温もりを思い出し、
自分の心の中で母を感じることで
前に進めるようなシーンが描かれていました。
このシーンは、何度観ても
胸が締め付けられそうになります。
寂しいくて悲しい気持ちも、
母の愛が大きく包んでくれるような映像に感動しました
MVのクライマックスでは、
現在と未来が交錯しています。
繰り返しになりますが、
小さい頃母と一緒に行った楽器店。
母の温もりを求めて再び訪れるシーン。
もうどこにも母の姿がないのは
わかっているのに。
歌の主人公が心の中を解き放った後に、
心が軽くなって笑顔で走り去っていくシーン。
何かを書き残しながら、命尽きようとしている老人。
その背中に優しくブランケットをかけてくれる若き日の母。
まるで「お疲れさま」って母親が言ってるようで
感動しました。
このシーンを見ながら、
「手を放す、
軽くなる、
満ちてゆく」
の歌詞の意味を何度も考えてみました。
「満ちてゆく」の歌詞が伝えたかったものを
うまく表現できませんでしたが・・・
終わりは次の生への始まり。
何かを失っても、育んできた愛は必ず心の中にあって、
自分を満たしてくれるんだなって感じました。
まとめ
今回、藤井風さんが歌う「満ちてゆく」の歌詞を、映画「四月になれば彼女は」の原作と「満ちてゆく」のMVのストーリーを考えながらまとめてみました。
いかがだったでしょうか?
とても深いテーマだったので、藤井風さんの想いから外れてないかなと不安でしたが、なんとか最後までまとめることができてほっとしました。
藤井風さんは、次のようにコメントされています。
愛の不在を描いたラブストーリーに曲を添えるというお話をいただき、これを機に人生で初めてラブソングというものを書いてみようと意気込んでいました。 しかし出来上がったものはこれまでずっと表現していたものの延長線上にありました。 始まりがあるものには終わりがあるということ。愛は求めるものではなく、すでにたくさん持っているもの。 与えれば与えるほど、「満ちてゆく」もの。
引用元:YouTube「満ちてゆく」藤井風コメントより
「愛は求めるものではなく、すでにたくさん持っているもの」という部分は、愛は外部から得るものではなく、自分自身の内側に既に存在するものであり、それを他人に与えることで、より豊かになるという考えを表しています。
つまり、愛を分かち合うことで、私たちの心はより満たされるというメッセージなんですね。
たくさんの愛を大切な人と分かち合えるようになりたいなと思います。
壮大な愛の意味を教えてくれた藤井風さんが歌う「満ちてゆく」を、また一度聞いてみてくださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!