私は直腸がんの手術を行なってから、今年で4年と少し経ちました。
振り返ってみればこの数年、後遺症に苦しみ悩んだ日々でした。
完璧に乗り越えたとまではいきませんが、普通に日常生活を送れることが増えてきました。
手術後は、自分はもう2度と社会生活は送れないと思い、本当に後遺症が酷くて辛かったですね・・・
肛門を手術で温存してもらって喜んだもの束の間、
手術の後遺症の辛さから「なんでこんなことになったんだろう」と
何度も考えました。
こんなに後遺症で悩むくらいなら、手術をしなければよかったと何度も思いました。
この記事では、辛い直腸がん手術後の後遺症についてと、
「後遺症はとても辛いけど必ず良くなって乗り越えられます」ということと、
直腸手術の実績がある日本の病院ランキングなどをまとめています。
現在直腸がんで悩んでいらっしゃる方にとって、
少しでもお役に立つことができたら嬉しいです。

一般的な直腸がんの後遺症とは
直腸がんの手術後には、排便機能や排尿機能、性機能障害などの後遺症が現れることがあります。
後遺症は日常生活の質や手術を受けた者の気力を下げていく難敵です。
大腸の中でも他の部位であれば、後遺症はそこまで酷くないかもしれません。
直腸がんの手術では、
肛門に近い部分にある直腸周辺やそのまわりのリンパ節の切除が行われるからです。
手術する仙骨上端から肛門管直上までにかけては自律神経が近く、
手術の際に傷つくことがあるため、排便機能、排尿機能、性機能に関する3つの障害が考えられます。
後遺症と後遺障害の違いは?
①後遺症
けがや病気が治った後も、完全に元の状態に戻らず症状が残る場合を指します。例えば、骨折の後に痛みやしびれが続くような状態です。「症状が残っている」かどうかが焦点が当たります。
②後遺障害
後遺症の結果として、身体や精神に障害が残り、それが日常生活や仕事に支障をきたすような状態を言います。例えば、事故の後で足にまひが残り歩行が困難になった場合などです。「日常や仕事に具体的な支障がある」点が特徴です。
※下記の文章の「障害」は「後遺症」のことと同じ意味として表記しています。
①排便機能障害は下痢・軟便・便秘などがあります。これは便を溜める役割をしている直腸の一部が切れることによって起こる後遺症です。
自分の意思やコントロールが難しく、排便の回数が増え、トイレの場所が近くになかったり、遠い場所にあったりする場合、不安な気持ちで一杯になります。
たとえトイレが近くにあったとしても、トイレの数が1つ、もしくは数が少ないと他の人に迷惑がかかるのではと思ってしまい、外に出るのが怖くなってしまいます。体の機能的な障害だけでなく、メンタル面での”傷つき”が重く心にのしかかってきます。
②排尿障害は尿意が鈍くなったり、排尿しても膀胱に残っている尿量(残尿)が多くなることがあります。
③性機能障害は男性によくみられます。手術の際に骨盤と壁に1番近いリンパ節を一緒にとることによって神経が傷つき、性機能障害が起こります。
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こちらの記事には、手術を受けた人の体験談も載っています。どうぞ参考になさってくださいね。

直腸がん手術は実績のある病院でするのをおすすめします
直腸がんの手術が難しい理由は、直腸が骨盤内の奥深くにあるため、
手術が複雑であることが挙げられます。
最近では、体へのダメージが少ない腹腔鏡手術が普及してきていますが、
直腸ならではの特徴が、腹腔鏡手術の難易度を上げる側面もあるそうです。
事前にどこの病院が実績があり、手術件数が高い病院なのかを知っていれば安心ですね。
直腸がんの治療実績(件数)が載ったサイトがありましたので、ご興味がある方は、またご覧になってください。
直腸がん手術治療実績数ランキングはこちら

もし、手術を受けることになったら、信頼のある病院や先生選びが大切だなと思います。
社会復帰は焦らずゆっくり・・・
直腸がんの手術後半年近く自宅療養をして社会復帰をしたのですが、
自分の行きたい時間帯でトイレに行けなかったり、
出勤前になると不安になり何度もトイレに駆け込むことが多かったです。
日常生活の中での辛い症状としては、
1番目としては、肛門からの出血が数ヶ月に及び、
どんな体勢だろうと痛みが軽減されることがなかったことです。
2番目としては、肛門周りの筋肉が弱ったせいか便を1度で出し切ることができず、
何度もトイレに行かなければならなかったことです。
3番目は、便意を我慢することができなくなりトイレまで走るのですが、
トイレに入るまでに漏れちゃうのではないかという恐怖感が。
いつも脳裏につきまとってメンタル的におかしくなりそうでした。
手術後しばらくの期間は、トイレにいる時間の方が多いのではと思うくらい、
トイレの中にいました 笑。
主人からは、「いつになったら元気になるだろう」と心配そうに言われると、
申し訳ない気持ちと焦る気持ちが交差して自分を責めたり
「あの時こうしてればよかった」と言った後悔の念が出てきたり…。
癌になりたくてなる人なんて誰もいないのですが、
自分の生活習慣が良くなかったのかなとか仕事のストレスのせいかなとか、
後ろ向きのネガティブな気持ちばかりでした。
でも、家族や周りの方々の励ましや支えがあり、
必ず元気になって恩返しがしたいと強く思える自分に変わることができました。
後は、下半身強化のために、スクワットや下半身強化の筋トレなどを少しずつやりました。
リハビリを兼ねての散歩は、毎日少しずつ距離を伸ばすようにしてました。
例えば、「今日はこの信号機まで歩けたから、明日は家から2本目の信号機まで歩こう〜」って感じです
生命倫理の専門家らいらっしゃるカナダのギー・ブルジョ博士が次のように言われていました。
『健康とは「どこにも病気がない」状態を指すのではなく、常に病気に立ち向かいながら、ダイナミックに「均衡状態」を維持しようと努める「不断の闘争です」』と。
本当にそうですね。1度も病気にならない人なんて、多分この世にはいないと思いますし、病気になった時にどう立ち向かっていくかが大切だと感じます。

社会復帰したら職場の上司や同僚に理解していただくことも大事
私の直腸がんの後遺症は、やはりなんと言ってもトイレ回数問題と食べ合わせによる便秘や下痢の繰り返し問題が大きいと思います。
自分の意思でコントロールできないので、急にお腹が痛くなったり、
トイレに行きたくなったり…。
自分の体なのに自分の思い通りにならないのは本当に辛いですね。
職場復帰したら正社員でバリバリ働きたいとも思っていましたが、
突然の腹痛で周りの方々にご迷惑をかけることが多くなってしまったので、
その当時は上司に相談し働き方を変更してもらいました。
どうしても外で働くことが無理な場合は、
自宅でできる仕事を見つけることも大切かなと思います。
絶対この働き方しかないということはないので、
自分の体と相談しながら過ごしていきたいです。
最後に・・・
癌にならないためには、
例えば、食生活を気をつけたり、運動したり、ストレスを溜めないなどと
予防策があるかもしれません。
私の場合は、心を強くすることが健康に繋がっている気がします。
現在は直腸がほぼないですが、つなぎ合わせた大腸の部分が
直腸の代わりをしているように感じます。
不思議ですね。人間の体って、蘇生する力があるとつくづく思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!