最近夏頃から、スーパーで冬瓜をよく見かけるようになりました。
冬瓜のレパートリーはあまりないのですが、先日お味噌汁に入れてみるとすごく美味しく家族からも高評価をもらいましたよ。
冬瓜は味にクセがなく様々なお料理にアレンジできそうですね。そんな素敵な野菜、冬瓜について調べてみました。少しでも豆知識としてお役に立てたら嬉しいです。
冬瓜(とうがん)ってどんな野菜なの?
冬瓜は名前から見ると、冬が旬なのかなと思っていましたが、実は夏が旬の野菜です。ただ皮が厚く硬いので冷暗所で保存すれば冬までもつほど日持ちの良い野菜だったため、この名が付けられたと言われていますよ。
冬瓜は果肉がやわらかく淡泊な味で、煮物やスープなどにして食べられます。本当に他の野菜とも相性が良いですよ。冬瓜はカリウムが比較的多く含まれており、高血圧予防や利尿作用などの効能が期待されています。
冬瓜の知られざる驚きの事実とは?
冬瓜には、知られざる驚きの事実と豆知識がたくさんあります。
例えば、以下のようなものが挙げられます。
冬瓜の歴史は古く、インドが原産地とされていますが、日本には奈良時代には既に伝来していたそうです。
日本では「冬瓜」や「鴨瓜」の名で文献に記されており、平安時代の「本草和名」では「白冬瓜」の項目で「和名 加毛宇利(かもうり)」と記されていて、昔から食用や薬用として用いられていました。
そんな昔から日本に伝来していたとは知りませんでしたし、ほとんど食べたこともありませんでしたよ。
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冬瓜は、冬までもつほど日持ちの良い野菜ということから「冬瓜(トウガ)」と呼ばれるようになって、「トウガン」へと訛ったと言われています。
伝承の途中で、「とうが」から「とうがん」になったんですね、面白いです。「とうがん」の方がいい安かったのでしょうか?(笑)
冬瓜のお料理方法は?
冬瓜は、果肉がやわらかく淡泊な味で、煮物やスープなどにして食べるご家庭が多いそうです。しかし、フランス料理では冬瓜をオーブンで焼いたり、チーズやハムなどを詰めたりして食べることもあるそうですよ。冬瓜の中身をくり抜いて器にしたり、皮ごと食べたりすることもで切るなんて経済的というかお料理映えしますね!
また、すぐに作れそうなレシピが見つかりましたので、ご紹介しますね。
冬瓜と鶏ひき肉の煮物
材料 2人分
鶏ひき肉 100g
冬瓜 250g
生姜 2.5g
だし汁 150ml
酒 大さじ1/2
しょうゆ 小さじ1
塩 少々
水 大さじ1
片栗粉 大さじ1
作り方
①冬瓜は種とワタをスプーンでくり抜き、皮をむいて4cm角に切る。
②生姜は皮をむいてすりおろす。
③フライパンに鶏ひき肉と生姜を入れて中火にかけ、ゴムベラで混ぜながら焼く。鶏ひき肉が白くなったら、薄く広げてお好み焼きのように焼く。両面に焼き色がついたら、適当な大きさに切って取り出す。
④同じフライパンにだし汁、酒、しょうゆ、塩を入れて沸かす。冬瓜を加えて落としぶたをし、弱めの中火で15分ほど煮る。
⑤水と片栗粉をよく混ぜてとろみ付け液を作る。冬瓜に竹串が通るくらいに柔らかくなったら、鶏ひき肉を戻し入れる。とろみ付け液を回し入れて全体に混ぜ、とろみがついたら火を止める。
⑥器に盛り付けて出来上がりです。
簡単にできますので、また作ってみてくださいね。
インドでは、冬瓜はどんなふうに使われているの?
冬瓜は、第1章でお伝えした通り、カリウムが比較的多く含まれており、高血圧予防や利尿作用などの効能が期待されていますが、肌の健康維持に役立つビタミンCも含まれていますよ。さらに、乾燥した種には便秘解消や利尿、鎮咳作用があるといわれており、インドの伝統医学アーユルヴェーダでは咳止めや解熱に用いられています。
また、冬瓜とスパイスなどを煮込んだジャムのような薬や、シロップ漬けにされることもあります。冬瓜は、食事やドリンクにも加えられます。例えば、冬瓜茶は台湾発祥の甘い冬瓜ドリンクで、ミルクティーにも合います。冬瓜は日本ではおかず系の調理が一般的ですが、台湾やベトナムではドリンクやスイーツに加工されることが多い野菜です。
ところで、アーユルヴェーダって聞いたことがあるかなと思いますが、少し説明しますね。
インドの伝統医学アーユルヴェーダを詳しく
インドのアーユルヴェーダは、約5000年の歴史を持つ伝統的な医学で、予防医学や治療医学だけでなく、生命哲学としても発展してきました。アーユルヴェーダは「生命の科学」という意味で、サンスクリット語の「アーユス(生命)」と「ヴェーダ(知識)」から成り立っています。アーユルヴェーダでは、人間の心身は五大(土・水・火・風・空)からなる三つの要素(ヴァータ・ピッタ・カパ)によって支配されており、これらの要素のバランスが崩れると病気になると考えられています。そのため、食事や運動、睡眠やマッサージなどの生活習慣を整えることで、心身のバランスを保ち、健康を増進することを目指しています。また、人間は自然や社会とも調和しながら幸福な人生を送ることができるという考え方もあります。
ちょっと難しいですね・・・
ヴァータ・ピッタ・カパってなあに?
ヴァータ(風)は、空と風の元素からなり、動きや変化を司ります。ヴァータは、呼吸や循環、神経伝達、運動機能などに関係します。ヴァータの特徴は、軽くて乾燥しており、冷たくて粗くて動きやすいことです。ヴァータ体質の人は、細身で華奢で、肌や髪が乾燥しやすいです。好奇心旺盛で活発で創造的ですが、気まぐれで飽きっぽく、不安や恐怖に陥りやすいです。ヴァータが増えすぎると、便秘や不眠、関節痛や神経痛などの症状が現れます。ヴァータを整えるためには、温かくて油分の多い食事やマッサージをすることがおすすめです。
ピッタ(火)とは、火と水の元素からなり、消化や代謝を司ります。ピッタは、胃腸や肝臓、血液や皮膚などに関係します。ピッタの特徴は、温かくて湿っており、鋭くて滑らかで浸透しやすいことです。ピッタ体質の人は、中肉中背で筋肉質で、肌は色白で日焼けしやすいです。明晰で理性的で決断力がありますが、自己主張が強くて怒りっぽく、競争心が高いです。ピッタが増えすぎると、胃炎や下痢、皮膚炎や頭痛などの症状が現れます。ピッタを整えるためには、冷たくて甘い食事やリラックスすることがおすすめです。
カパ(水)は、水と土の元素からなり、構造や安定を司ります。カパは、骨格や筋肉、脂肪組織や粘液などに関係します。カパの特徴は、重くて潤っており、冷たくて柔らかで粘着しやすいことです。カパ体質の人は、大柄でがっちりしており、肌はしっとりしています。忍耐力や持久力がありますが、動きが遅くてだらしなくなりがちです。穏やかで優しくて思いやりがありますが、保守的で執着心が強くなります。カパが増えすぎると、肥満や浮腫み、鼻水や咳などの症状が現れます。カパを整えるためには、辛くて苦い食事や運動することがおすすめです。
どうやらヴァータ・ピッタ・カパというのは、人の体質とその特徴のようですね。人それぞれ体質が違いますので、個々人に合わせた食事や運動が大切なことがわかりました。
インドのアーユルヴェーダは興味深いですね!
また、アーユルヴェーダはインド最古の文献であるヴェーダ聖典に由来し、その中でもアタルヴァ・ヴェーダには薬草や呪文などの医療に関する記述があります。後に古典医学書としてチャラカ・サンヒターやスシュルタ・サンヒターなどが編纂され、内科的治療や外科的治療など様々な分野が発達しました。7世紀頃にはヴァーグバダによって二つの医学派が統合されてアシュタンガフリダヤーが作られ、これがアジア各地に広まりました。インドではイスラム勢力の拡大以降、ユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)が主流となりましたが、アーユルヴェーダは辺境や貧しい人々の間で受け継がれました。20世紀初頭にはナショナリストやオリエンタリストたちによってアーユルヴェーダは「インド伝統医学」として復興し、現代医学と並んで教育制度が整備されました。現在ではインド政府にアユシュ省(インド伝統医療省)が設置されており、公認の医学体系の一部です。
アーユルヴェーダは西洋でもニューエイジ運動や補完代替医療として注目されており、多くの人々がその効果を体験しています。しかし、商業化されたアーユルヴェーダや薬草製品には様々な問題もあります。例えば、重金属や有害物質が含まれている場合や、品質管理が不十分な場合などです。そのため、アーユルヴェーダを利用する際には信頼できる専門家や施設を選ぶことが重要ですよ。
まとめ
冬瓜は、インドが原産で日本にも古くから伝わってきた野菜です。夏が旬で水分が多く、身体の熱をやさしく冷ます効果があることがわかりました。
またアーユルヴェーダでは、咳止めや解熱に使われるほか、食事やドリンクにも加えられます。愛知県では、とうがんに出汁がきいたあんをかけた「とうがん汁」が親しまれていますよ。
冬瓜は淡白な味わいで味が染みやすいので、さまざまな料理に合います。冬瓜を使ったレシピや豆知識を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。冬瓜の魅力を再発見してみてくださいね。