こんにちは。
2014年、『NARUTO-ナルト- 疾風伝』のオープニングに流れ始めた一曲をご存じですか?
KANA-BOONの「シルエット」。
「いっせーのーせ」という掛け声とともに始まるこの楽曲は、火影(※1)を目指すナルトの姿と、バンドとして夢を追い続けるKANA-BOONの想いが重なり合って、たくさんの人の心に響きました。
※1 火影とは、『NARUTO-ナルト-』の舞台である木ノ葉隠れの里(このはがくれのさと)の最高指導者の称号。里の最強の忍者であり、里民全員を守る責任を持つ、いわば里長・トップリーダーの存在を意味しています。
それから11年が流れ・・・2025年の今、この曲が「ナルトダンス」とともに大ブームを起こしていますね。
TikTokで数億回再生される「ナルトダンス」は、上昇率78.3%を記録し、オリコンストリーミング急上昇ランキング1位(※2)を見事獲得しました。(※2 集計期間2025年10月27日~11月2日)
今回は、KANA-BOONが歌う「シルエット」の急上昇の理由と、TVアニメ「ナルト」を観ながら歌詞の意味をみていきますね。
KANA-BOONの「シルエット」急上昇の理由とは?
どうしてこんなにも
急上昇したの?
4つの理由を下記にまとめますね。
①KANA-BOON公式のTikTokキャンペーン
2025年10月20日、KANA-BOON公式X(旧Twitter)アカウントが、TikTokにて「#みんなでシルエット」「#SilhouetteTogether」のハッシュタグでカバー投稿を募集する企画を発表しました。
この企画が火付け役となって、世界中のTikTokerや有名人が参加。
関連動画の再生数は、数億回にも達したそうですよ、すごいっ。
②「ナルトダンス」(シルエットダンス)の世界的バズ
TikTokで一大ブームを巻き起こした「シルエットダンス」(別名:ナルトダンス)の特徴は、何といってもその素早すぎる手の動きにあります。
忍者の印を結ぶのと同じようだと言われてますが、人気アニメ『NARUTO -ナルト-』に登場していたうちはサスケの奥義「千鳥」を思い起こさせますね。
楽曲の導入部分にあたる「いっせーのせ」・・・覚えやすいし口ずさみやすい歌詞なんですよね。
「ナルトダンス」は、日本人TikTokerだけでなく、海外のクリエイターたちをも巻き込んで、グローバルなトレンドになりました。
③ NARUTOの根強い世界的人気
『NARUTO-ナルト-』は岸本斉史先生によって描かれた漫画で、1999年から2014年まで『週刊少年ジャンプ』で連載されました。
TVアニメ『NARUTO-ナルト-』は、2002年10月から放送が開始され、2007年からは『NARUTO -ナルト- 疾風伝』としてタイトルを変更。2017年3月まで約14年半にわたって放送され、全720話という長編作品として多くのファンに愛されました。
④リリースから10周年を記念したイベント
2024年には「シルエット」のリリース10周年を記念して、KANA-BOON Official YouTubeチャンネル上でミュージックビデオ10時間連続視聴パーティが開催されました。
このように、全ての要因が重なって「シルエット」の一大ブームが起きたのかもしれないですね。
サマンサベガからTVアニメ『NARUTO-ナルト- 疾風伝』とのコラボコレクションが 初登場!! #NARUTO https://t.co/pv5DnGY5Xm
— NARUTO・BORUTO【原作公式】 (@NARUTO_kousiki) November 14, 2025
「シルエット」の歌詞を詳しく!
心に残っているフレーズを、TVアニメ「NARUTO」のお気に入りのシーンとリンクさせて考えてみますね。
いっせーのーせで
引用元:Apple Music「シルエット」
踏み込むゴールライン

これから一歩踏み出す瞬間
第2話「木ノ葉丸だコレ!」で、3代目火影さまの孫・木ノ葉丸から「これからはライバルだ」と言われたナルト。
その時にナルトが返した言葉。
「一足先に忍者だ」って。
次のステージに進もうとするナルト。そして木ノ葉丸がナルトを目指そうと決意する場面が妙にこのフレーズと響き合う気がします。
KANA-BOONの 谷口鮪さんもインタビューで「デビュー前から目標を語っていた」と言われていたので、「シルエット」の冒頭は、夢への第一歩を歌ってるようで、胸に迫るものがありますね。
うだって うだって うだってく
引用元:Apple Music「シルエット」
煌めく汗がこぼれるのさ

ナルトの忍術いろいろ
ナルトって、いつも走っているイメージというか、失敗もするけどなんか一生懸命で素敵なんですよね。
このフレーズのように、泥臭いんだけど頑張ってる姿を見ると応援したくなります。
ナルトが使っている代表的な忍術やモードをみますね。
影分身の術
・ナルトの代名詞とも言える得意技。上忍レベルの高等忍術だが、ナルトは九尾のチャクラがあるため大量の影分身を作れる。
変化(へんげ)の術
・別の人物や物に変身できます。
おいろけの術(女性に変化して敵を惑わす)、ハーレムの術(影分身と組み合わせ)など独自のアレンジができます。
螺旋丸(らせんがん)
奥義といわれています。
・手のひらでチャクラを乱回転させて圧縮し、球体にして直接ぶつける技
四代目火影・波風ミナト(ナルトの父)が生み出しました。
仙人モード
自然エネルギーを取り込み、身体能力・忍術の威力・感知能力が爆上がりします。
九尾(きゅうび)チャクラモード
・ 体内の九尾(九喇嘛/クラマ)と心を通わせることで発動
全身が黄金のチャクラに包まれるのは、すごくかっこいいです。
・この進化形に 九喇嘛(くらま)モードがあります。
(九喇嘛(くらま)とは、ナルトの体内に封印されている九尾の狐(きゅうびのきつね)の本名です)
六道仙人(りくどうせんにん)モード
・六道仙人(大筒木ハゴロモ)からチャクラを授かった最強形態です。
どんな能力かというと、飛行できたり、あらゆる忍術への耐性があったりします。
それと片手で螺旋丸を形成できます。
上記の他にもあると思いますが、代表的なものをまとめてみました。
ひらりとひらりと舞ってる
引用元:Apple Music「シルエット」
木の葉の様に憂うことなく
焦燥もなく過ごしていたいよ

この一節は、『NARUTO』の世界観と深く重なり合っていて、とても象徴的だなと感じます。木の葉が舞うように、心を軽くして生きていきたい——そんな願いが、物語の中の登場人物たちの想いや生き方とも自然につながっている気がします。
「木の葉」が持つイメージは?
「NARUTO」の世界では、「木の葉」はただの自然描写ではないんですよね。
次の3つの意味があります。
- ナルトたちが暮らす木の葉隠れの里(木ノ葉)
- 里の額当てのシンボルも「木の葉」
- 平和・仲間・絆を象徴する言葉
対照的な世界
ここでのフレーズのように、「悩みなく、焦りなく、自然体で過ごしたい」という願いは、
戦乱の世界を生きる忍たち(ナルトたち)とは対照的です。
いつも過酷な世界で生きているので、風に身を任せて舞う木の葉のように、生きていきたいと願っても不思議じゃないですね。
覚えてないことも
引用元:Apple Music「シルエット」
たくさんあったけど
変わらないものがあることを
教えてくれたあなたは
消えぬ消えぬシルエット

大切な人の記憶がないまま・・・
ナルトは幼い頃に両親と別れたので、ミナトとクシナの記憶が全く残っていません。
「覚えてないことも
たくさんあったけど」
このフレーズは、ナルトの幼少期の気持ちとすごくリンクするような気がします。
それでも、”変わらないもの”がある
ナルトにとって、”変わらないもの”って何だろうと考えてみました。
それは、
- ミナト(父)が里を守るために命をかけた想い
- クシナ(母)がナルトに託した「愛情」
- 「忍としてどう生きていったらいいのか」という意思
ナルトが後に両親と再会したときに、”変わらないもの”の意味に気付くのかもしれないですね。
「あなたは消えぬシルエット」の意味は?
このフレーズの”あなた”の存在は、次の人物像が重なるかなと思います。
● 両親(ミナト&クシナ)
たとえ姿は消えても、両親の意思や愛情はナルトの中に強く残っている
● イルカ先生
天涯孤独だったナルトの存在を初めて認めてくれた人
● 自来也
ナルトの師匠。「憎しみの連鎖を終わらせる」という使命を託した人
大切な人との記憶がなくても、その人たちの意思は消えないんだよと教えてくれています。
大事にしたいもの
引用元:Apple Music「シルエット」
持って大人になるんだ
どんな時も離さずに
守り続けよう
そしたらいつの日にか
なにもかもを
ひらりひらりと舞っている
木の葉が飛んでゆく
作成:Maguro Taniguchi
ナルトの言葉を振り返ってみると
「大事にしたいもの
持って大人になるんだ」
このフレーズとナルトの言葉がリンクするようなTVアニメ「NARUTO」での場面を探してみました。
「まっすぐ自分の言葉は曲げねぇ…それが俺の忍道だ!」
・第39話「いざ勝負!!踏ん張りどころ」(中忍試験・筆記試験)
・中忍試験の第一次試験(筆記試験)で、森乃イビキから出された「第10問目」に挑む際に挑戦するか棄権するかを選らばなければなりませんでした。
でもナルトは、怯える仲間たちの前で手を挙げて「絶対に諦めない!」と宣言。
「仲間一人救えねェ奴が火影になんてなれるかよ」
・NARUTO疾風伝 第216話「第七班、結成」
この回では、カカシがナルトに「サスケを追うのをやめろ。お前には火影になるという夢がある」と止めようとする。
でもナルトは、「仲間一人救えねェ奴が火影になんてなれるかよ」と答え、サスケとの対決を決意しました。
「どんな時も離さずに
守り続けよう」
ナルトが火影になる夢を離さないで、しかもサスケとの絆も離さない。どちらも守っていこうと決意するシーンなので、このフレーズとマッチしますね。
まとめ
今回は、KANA-BOONが歌う「シルエット」の急上昇の理由と、TVアニメ「ナルト」を観ながら歌詞の意味をみてきましたが、いかがでしたでしょうか?
ANA-BOON「シルエット」がNARUTO疾風伝のオープニングテーマとして、今なお世界中で愛され続ける理由―それは、この曲がナルトの物語の魂そのものを歌っているからだと思います。
そして、一番心を打つのは、「大事にしたいもの 持って大人になるんだ どんな時も離さずに 守り続けよう」という一節。
このフレーズは、ナルトの生き方と重なり合っているので、「シルエット」のメッセージがより深く理解できますね。
これから大人になる人やもう大人になっている人も、自分の大事にしたいものを絶対離さないように生きていけたらいいですね。私もそうします
最後までお読みいただきありがとうございました!
