今日、久しぶりにサーカスを見にいってきました。
全国を回って公演されているポップサーカスです。パーフォーマーの超人的な技や肉体美や会場との一体感など、感動したところをあげたらきりがありません。
1部、2部構成で、途中休憩を挟んで約2時間の内容でしたが、「もう終わりなの?」って名残惜しい気持ちになるくらい、楽しくて充実した時間を過ごすことができました。
そこで、今回は私たちに喜びと感動を与えてくれるサーカスの歴史についてお話ししたいと思います。
サーカスというと、空中ブランコや大車輪、道化師や動物の芸など、さまざまなパフォーマンスが思い浮かびますが、サーカスはどこでどのように始まったのでしょうか?そして、サーカスは今後どのように発展していくのでしょうか?
このブログでは、サーカスの起源と発展について、古代エジプトから現代までを追ってみたいと思います。
1.サーカスの起源とは?
(古代ローマの円形球技場のイメージ)
サーカスという言葉は、ラテン語で「円形競技場」を意味するcircusに由来します。古代ローマでは、circusと呼ばれる円形の競技場で、戦車競走や剣闘士の試合、動物の狩猟などが行われました。これらは、ローマ人の娯楽や宗教的な祭典として重要な役割を果たしていました。しかし、これらは現代のサーカスとは異なり、パフォーマーと観客の間には距離がありましたし、ストーリーや音楽などもありませんでした。
現代のサーカスに近い形態が始まったのは、18世紀のヨーロッパです。イギリスの元騎兵隊員であったフィリップ・アストリーが、ロンドンに曲馬場を開設しました。彼は自ら曲馬を披露するだけでなく、他の曲芸師や道化師を雇ってショーを演出しました。また、彼は観客席を円形に配置してパフォーマーと観客の距離を近づけました。これが現代サーカスの原型とされています。
フィリップ・アストリーは、1742年にイギリスで生まれた馬術家、サーカス所有者、発明家です。彼は「現代サーカスの父」と呼ばれるほど、サーカスの歴史に大きな影響を与えました。
アストリーは若くして騎兵隊に入り、七年間戦争に参加しました。戦争から帰国した後、彼はロンドンに曲馬場を開設したのち、彼は自ら曲馬を披露するだけでなく、他の曲芸師や道化師を雇ってショーを演出しました。繰り返しになりますが、彼は観客席を円形に配置してパフォーマーと観客の距離を近づけました。これが現代サーカスの原型とされています。
アストリーはその後もサーカスの発展に尽力しました。彼は新しい技や演出を考案し、サーカスの人気を高めました。彼はまた、イギリスだけでなく、ヨーロッパやアメリカにもサーカスを広めていったことでも知られています。彼は1814年に亡くなりましたが、彼の子孫や弟子たちは彼の遺志を継いでサーカスを続けました。
アストリーはサーカスの歴史において重要な人物です。彼は曲馬や道化芸などの伝統的な技に加えて、新しい表現や感動を生み出すことで、サーカスを芸術の一種として確立しました。彼はまた、円形劇場や観客とのコミュニケーションなどのサーカスの基本的な要素を作り出しました。彼は現代のサーカスに多大な影響を与えた人物と言えるでしょう。
2.古代エジプトのサーカスとは?
(古代エジプトのサーカスのイメージ)
古代エジプトでは、紀元前3000年頃から曲芸やジャグリングなどのパフォーマンスが行われていました。壁画や彫刻にもその様子が描かれています。これらは主に王宮や神殿で行われる祭典や儀式の一部として披露されていました。また、外国から来た曲芸師や道化師もエジプト人を楽しませていました。これらは現代のサーカスと同じように見世物として観賞されていたわけではありませんが、エジプト人は曲芸や道化に興味を持っていたことがわかります。
3.サーカスがどのように世界に広まったの?
アストリーが始めたサーカスはヨーロッパ各地に広まりました。フランスではナポレオン時代に国立サーカス学校が設立されました。ロシアでは19世紀後半から国立サーカス団が発足しました。また、アメリカでは19世紀半ばから巨大なテントを使って全米各地を巡業するサーカスが人気を博しました。これらのサーカスは、曲馬や空中ブランコなどの伝統的な技に加えて、動物の芸やクラウンのコメディなどを取り入れて観客を魅了しました。
20世紀に入ると、サーカスはさらに多様化しました。映画やテレビなどの新しいメディアの台頭によって、サーカスはより斬新で芸術的な表現を求められるようになりました。例えば、カナダのシルク・ドゥ・ソレイユは、動物を使わずにストーリーや音楽、演劇やダンスなどを組み合わせた総合芸術としてのサーカスを創造しました。また、日本ではキグレNewサーカスが、ミュージカルや日本の伝統芸能などを取り入れたオリジナルの物語でサーカスを演出しました。
(現代のサーカスの舞台のイメージ)
4.人気のサーカス団の種類と歴史とは?
現在、世界中で活動しているサーカス団は数え切れないほどありますが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。
・シルク・ドゥ・ソレイユ
1984年にカナダで誕生したサーカス団です。創設者はストリートパフォーマーだったギー・ラリベルテとジル・サンクロワです。彼らは伝統的なサーカスに飽き足らず、自分たちの感性や想像力で新しいサーカスを作り出しました。シルク・ドゥ・ソレイユは、動物を使わずに人間の身体能力や表現力を最大限に引き出すことで、幻想的で感動的なショーを展開します。また、各公演には独自のテーマやストーリーがあり、音楽や衣装、照明などもそれに合わせて作られます。シルク・ドゥ・ソレイユは、これまでに世界70カ国、450都市以上で公演を行い、累計で2億1,500万人以上の観客を動員しています。
シルク・ドゥ・ソレイユの情報はこちら↓
・木下大サーカス
1948年に日本で誕生したサーカス団です。創設者は木下勇一郎です。彼は戦争で負傷した後、曲馬師として活動していましたが、自分のサーカス団を作る夢を持っていました。木下大サーカスは、曲馬や空中ブランコなどの伝統的な技に加えて、トラやキリンなどの動物の芸やクラウンのコメディなども取り入れています。また、巨大なテントや豪華な装飾も特徴です。木下大サーカスは現在、日本最大級のサーカス団として全国各地で公演を行っており、観客数は年間200万人以上に上ります。
木下大サーカスの情報はこちら↓
・ポップサーカス
1976年に日本で誕生したサーカス団です。創設者は元林信勝です。彼は元々テレビ番組のプロデューサーだったが、子供向けのエンターテインメントとしてサーカスを作ることを思いつきました。ポップサーカス
ポップサーカスは、子供向けのエンターテインメントとしてサーカスを作ることを思いついた元林信勝が、1976年に日本で誕生させたサーカス団です。彼はテレビ番組のプロデューサーとして活躍していましたが、サーカスに魅了されて自分のサーカス団を作ることにしました1。ポップサーカスは、曲馬や空中ブランコなどの伝統的な技に加えて、キャラクターやアニメなどの人気コンテンツとコラボレーションしたショーを展開しました。また、子供たちが参加できる体験型のイベントやワークショップも行っています。ポップサーカスは現在、日本最大級のテントを使って全国各地で公演を行っており、観客数は年間100万人以上に上ります。
ポップサーカスの情報はこちら↓
5. サーカスの未来とは?
(未来のサーカスの演出のイメージ)
サーカスは、人間の身体能力や表現力を最大限に引き出すことで、観客に感動や驚きを与えるエンターテインメントです。サーカスは古代から現代まで、さまざまな文化や時代に影響を受けながら進化してきました。では、サーカスは今後どのように発展していくのでしょうか?
サーカスの未来について考えるとき、まず注目したいのは「現代サーカス」というジャンルです。現代サーカスとは、動物を使わずにストーリーや音楽、演劇やダンスなどを組み合わせた総合芸術としてのサーカスです。現代サーカスは1970年代にフランスで誕生し、その後世界中に広がりました。現代サーカスは、伝統的なサーカスに飽き足らず、自分たちの感性や想像力で新しいサーカスを作り出すアーティストたちの挑戦と創造性の結晶です。
現代サーカスの代表的な団体としては、カナダのシルク・ドゥ・ソレイユが有名です。シルク・ドゥ・ソレイユは、幻想的で感動的なショーを展開し、累計で2億1,500万人以上の観客を動員しています。シルク・ドゥ・ソレイユは、常に新しい技術や演出を取り入れており、例えば水中パフォーマンスや3D映像などを用いています。
日本でも現代サーカスに関心が高まっており、日本初の現代サーカスの拠点として「瀬戸内サーカスファクトリー」が香川県に誕生しています。
瀬戸内サーカスファクトリーって?
瀬戸内サーカスファクトリーとは、香川県に拠点を置く現代サーカスの発信基地です。現代サーカスとは、鍛え抜かれた身体を使い、音楽、演劇、ダンス、美術、映像などの様々な芸術要素を取り込みながら変幻自在に進化する芸術です。
瀬戸内サーカスファクトリーは、2012年に任意団体として設立され、2014年に一般社団法人となりました。代表理事は田中未知子さんで、現代サーカスの専門家です。 瀬戸内サーカスファクトリーのミッションは、人間の芸術、ここにしかない文化を生み出す、育てる、地域と世界をつなぐ、の3つです。
瀬戸内サーカスファクトリーは、日本のパフォーマーを集めて、海外アーティストとの共同創作を行ったり、サーカス教室やイベント運営を通して人材育成を行ったり、国際的なネットワークを通して情報発信を行ったりしています。 2024年1月20日には、「Workersワーカーズ!」を丸亀市綾歌総合文化会館で開催する予定です。
瀬戸内サーカスファクトリーは、日本における現代サーカスのパイオニアとして、瀬戸内の風土から生まれる新しい文化を創造しています。
現代サーカスは、伝統的なサーカスとは異なる魅力や可能性を持っていますが、それだけではありません。伝統的なサーカスもまた、新しい表現やコラボレーションを試みています。例えば、日本ではキグレNewサーカスが、ミュージカルや日本の伝統芸能などを取り入れたオリジナルの物語でサーカスを演出しました。また、ポップサーカスでは、キャラクターやアニメなどの人気コンテンツとコラボレーションしたショーを展開しました。
これらの例からわかるように、サーカスは多様化し続けています。サーカスは一つの形式ではなく、さまざまな要素やジャンルを組み合わせることで、新しい表現や感動を生み出すことができます。サーカスは、人間の身体能力や表現力の限界に挑戦し続けることで、観客に驚きや感動を与え続けることができます。
サーカスの未来は、アーティストたちの創造性や情熱にかかっています。サーカスは、新しい技術やメディアとも融合し、より斬新で芸術的な表現を求められるでしょう。サーカスは、地域や文化ともつながり、より社会的な意義や役割を果たすでしょう。サーカスは、人と人とのつながりやコミュニケーションを大切にし、より多くの人々に楽しみや感動を届けるでしょう。
サーカスは、人間の可能性を広げるエンターテインメントです。サーカスは、進化し続けるエンターテインメントです。サーカスは、未来へ向かうエンターテインメントです。(そうあって欲しいと願いを込めて
まとめ
今回、「サーカスの起源と発展:古代エジプトから現代まで」という内容で、まとめてみましたがいかがだったでしょうか?
今日は、日々練習を積み重ねられてきたサーカスのパフォーマーの方々の表現力の素晴らしさに感動した1日となりました。
数年前にエンターテインメントは不要不急って言われてたことを思い出しましたが、エンターテイメントは人間の素晴らしさを再確認できる場所だと感じます。素晴らしいエンターテインメントに出会えると、この世に生まれてきて本当に良かったって思います。
これからもサーカス文化を応援していきたいです。
最後までご覧いただきありがとうございました!