こんにちは。
『薬屋のひとりごと』第24話「壬氏と猫猫」を見たあと、しばらく余韻が抜けなかった方も多いのではないでしょうか。中でも、猫猫の舞の場面で流れた挿入歌「想い咲く時」は、本編の感動をそっと深めてくれるような存在でした。この曲は第24話の挿入歌として使用され、歌唱はアオイエマ。さんが担当しています。
今回は、そんな「想い咲く時」がどんな魅力を持った楽曲なのか、アニメの場面を振り返りながら、歌詞や雰囲気から感じたことをやさしくまとめてみますね。
アオイエマ。さんについて
アオイエマさんは、東京都出身のシンガーソングライターで、路上ライブをされています。彼女の魅力は、特にオリジナル曲「ナイモノネダリ」や「アイラ」などで知られていますよ。
この「ナイモノネダリ」の曲は、空の鳥籠に閉じ込められた心を持つ人々に向けて、幸福が心の中にあることを伝えています。
『想い咲く時』の歌詞から思うこと
「薬屋のひとりごと」第24話で、「思い咲く時」が流れたシーンは、猫猫とっても美しかったですね。
※個人的な感想をもとに考察しています。「そこはちょっと違う」と思われるかもしれませんが、「そんな見方もあるのかな」と思っていただけると嬉しいです。
※ネタバレを含みます

感動の美しい猫猫の舞い
アニメ『薬屋のひとりごと』最終話では、羅漢が猫猫との勝負に敗れたことで、ついに緑青館の女性を引き取る流れになりました。作中では、その女性が新しい人生へ進む節目に「見送りの舞」を舞う文化が描かれていて、その背景を知ると、あの場面の意味がさらに深く感じられます。
そのうえで印象に残るのが、猫猫が後宮の屋上でひとり舞うシーンです。夜の静けさの中で舞う姿には、これまで積み重なってきた複雑な想いや、言葉にしきれない記憶がそっとにじんでいるように見えました。ただ美しいだけではなく、過去と現在、そして家族にまつわる感情まで抱え込んでいるような、静かな重みがありましたよね。
また、この挿入歌が重なることで、猫猫自身の生い立ちや、これまで心の奥にしまい込まれてきた痛みまで思い起こされます。戸惑いや傷ついた経験を経るたびに、心の奥で少しずつ形になっていく感情がある――そんなふうにも受け取れました。
さらに、この場面は猫猫だけでなく、母である鳳仙(猫猫の母)の想いにも重なって見えます。直接多くを語らない作品だからこそ、あの舞には、猫猫の人生だけでなく、鳳仙が抱えてきた悲しみや願いまで静かに映し出されているようで、よりいっそう胸を打たれました。
猫猫の過去と親子の関係について
猫猫は花街で育った少女で、幼い頃から薬草や調合の知識に強い関心を持っていました。まだ若い年齢ながら恋愛ごとにはあまり興味を示さず、むしろ薬や体の仕組みについて考えることのほうに夢中な性格です。
花街でさまざまな人間模様を見ながら育ったため、年齢のわりにどこか達観したところがあり、時には少し変わった発想や行動を見せることもあります。
そんな猫猫は、ある出来事をきっかけに後宮で働くことになり、そこで持ち前の知識や観察力を発揮していくようになります。
猫猫と羅漢と羅門(養父)の関係って?
羅漢(ラカン)は猫猫の実の父親で、軍師として知られる人物です。けれども、猫猫は羅漢のことを父親として素直に受け入れているわけではなく、少し距離のある不思議な存在として見ています。そのため、猫猫にとって羅漢は「父親らしい人」というより、どこかつかみどころのない人物に近いのかもしれません。
一方で、猫猫が父親のように慕っているのは養父の羅門です。羅門は猫猫に多くの知識を教え、人生にも大きな影響を与えた大切な存在です。血縁の面でもつながりはありますが、猫猫にとって何より大きいのは、「自分を育て、支えてくれた人」であることなのだと思います。
猫猫の成長を思わせるような歌詞から考えてみる
①アニメの場面を猫猫の気持ちから考えてみると・・・
猫猫は、複雑な環境の中で育ってきたからこそ、これまでたくさんの迷いや戸惑いを抱えてきたのだと思います。
でも、そうした経験があったからこそ、今の猫猫の冷静さや、人の気持ちを見抜くような鋭さが育っていったのかもしれません。
痛みを知ることはつらいですが、そのひとつひとつが猫猫の心の中で少しずつ積み重なり、今の彼女をつくっているようにも感じられます。
消えない過去があったとしても、それを抱えながら前に進んでいく強さが、猫猫の魅力なのだと思いました。
それは、次の猫猫と壬氏(ジンシ)との会話から推察されますよ。
「軍師殿のこと、てっきり恨んでいるものかと思っていたが」(壬氏)
「嫌いであっても、恨んではいません。羅門の娘になれた点だけは、あの男に感謝している」(猫猫)(参照:TVアニメ『薬屋のひとりごと』のシーン)
返答はロジックな猫猫ですが、てっきり恨んでいるだけと思っていたのでちょっと意外でしたが、猫猫の心の成長を感じる場面かなと思いました。
猫猫の舞いのシーンから鳳仙の気持ちを想像してみる
この場面は、猫猫だけではなく、母である鳳仙の気持ちにも重ねて見ることができるように思います。
鳳仙もまた、思い通りにならない運命や深い苦しみを抱えながら生きてきた人物です。
その中で傷つき、迷い、何度も心をすり減らしてきたはずですが、それでも誰かを想う気持ちまでは失わなかったのではないでしょうか。
長い時間の中で負った心の痛みは簡単には消えないけれど、その痛みがあったからこそ生まれた愛情や願いもあったのかもしれません。
そう考えると、この場面には、鳳仙が抱えてきた悲しみだけでなく、猫猫に向けた静かな想いまで重なっているように感じられます。
鳳仙(猫猫の母親)の辛い過去とは?
鳳仙には、羅漢との関わりをきっかけに、人生が大きく変わってしまった過去があります。
もともと鳳仙は、花街の中でも特別な存在として知られていた女性でした。けれど、ある出来事を境に、それまで思い描いていた未来が少しずつ変わっていってしまいました。
一方の羅漢も、叔父である羅門に起きた出来事の影響で、都を離れなければならなくなります。最初はそれほど長く離れる予定ではなかったものの、帰ってくるまでには思っていた以上の年月がかかってしまいました。
やっと都へ戻った羅漢は、鳳仙から何通も手紙が届いていたことを知ります。その時の羅漢は、鳳仙はもう別の人生を歩んでいるのではないかと思っていたようです。
けれど、残されていた手紙や品を通して、鳳仙が長いあいだ変わらない想いを抱えていたことに気づきます。当時の風習にならった形で、その強い気持ちが示されていたことを知った羅漢は、大きな衝撃を受けることになりました。
この過去を知ると、鳳仙がどれほど切ない思いを抱えながら生きてきたのかが、より深く伝わってきます。そして、その積み重ねが猫猫の物語にもつながっているのだと思うと、とても胸が締めつけられます。

鳳仙は美しいだけでなく、囲碁や将棋に長けた才能を持つことで知られています。
特に、羅漢と囲碁を差し合ったエピソードでは、
彼女の知性と美しさが強調されていますよ。
美しさを表現している歌詞から思うこと
鳳仙は若くして梅毒という病を患いますが、どんな姿になっても強く生きている姿は、悲劇的な美しさを際立たせてる感じがします。
アニメの中で、羅漢は鳳仙のことを「鳳仙花の実のような」「人とはこのような顔をしていたのか」と。
歌詞の中の美しい言葉が、まるで鳳仙とつながっているようでとても癒されました。
また、変わらずそこにあるものを思わせる言葉からは、信念や愛のような、ずっと心の中に残る大切なものが伝わってきます。
そうしたものは、つらい時や迷った時でも、私たちをそっと支えて、前に進む力をくれるのかもしれません。
◆『想い咲く時』を聴いていると、ためらいながら言葉を紡いでいくような想いが伝わっていきます。不安や怖さを抱えつつも、自分の心の中にある想いを何とか表そうとしているようにも思われてきます。
ただ、そのまま相手に届くとは限らないところに、言葉の儚さや切なさも感じられますね。

『薬屋のひとりごと』第23話でのエピソード
「薬屋のひとりごと」の23話では、猫猫は象棋(中国のチェスに似たゲーム)(シャンチー)が得意な羅漢に対し、条件付きの象棋の勝負を挑みます。
猫猫が象棋を得意とする羅漢に、ある条件つきで勝負を持ちかけます。
その条件とは、猫猫が勝った場合、羅漢が緑青館の女性を迎えに行くことでした。
勝負は壬氏と高順が見守る中で進んでいき、序盤は羅漢が優勢に見えます。けれども猫猫は、勝負の流れとは別に、ある仕掛けを用意していました。
結果として羅漢はその影響で冷静さを失い、猫猫から渡された“枯れた青い薔薇”に込められた意味に気づくことになります。
“いつか色あせてしまう花”というイメージは、その青い薔薇と重なって見えて、とても印象的でした。
鳳仙(猫猫の母)へ、羅漢の想いがどうか届いてほしい――そう願わずにはいられないような、第23話の内容だったと思います。

楽曲を聴いていると、鳳仙が限られた時間の中で、たった一人思い続けていた大切な人・羅漢をずっと待っていたのではないか、そんな切ない気持ちが浮かんできます。
そして、アニメ『薬屋のひとりごと』第24話で、羅漢がようやく鳳仙の存在に気づき、急いで会いに向かう場面は、本当に胸を打たれました。何度見ても、込み上げてくるものがあります。

歌詞の後半は、鳳仙から猫猫への静かなメッセージのようにも感じられました。
今はまだ小さくて心もとない存在だとしても、これから成長して、いつか誰かの心にやさしく残るような人になってほしい――そんな母の願いが重なって見えます。
アニメの中で、鳳仙が病床でわらべうたのような旋律を口ずさんでいた場面も印象的でしたよね。
あの姿を見ていると、幼い頃に離れることになった猫猫の幸せをずっと願いながら、わずかな希望を胸に生きてきたようにも感じられて、胸が締めつけられました。

そして最後に感じたのは、たとえ時が流れて姿が変わったとしても、鳳仙という存在は羅漢にとってずっと特別で、美しいものとして心に残り続けているのではないか、ということでした。
でも同時に、この想いは鳳仙だけでなく、猫猫にも重なって見えます。
母のために舞を舞う猫猫の姿は、しなやかで強くて、本当に一輪の花のような美しさがありましたよね。
だからこそこの場面は、羅漢が鳳仙を思う気持ちと、鳳仙から猫猫へ受け継がれていく願いの両方が感じられて、より深く心に残るのだと思います。
アニメの内容と『想い咲く時』の一つひとつのフレーズが、美しく重なり合うようでとても感動的でした。
まとめ
今回は、アオイエマ。さんが歌う「想い咲く時」について、アニメ『薬屋のひとりごと』第24話の場面と重ねながらまとめてみました。
いかがでしたでしょうか?
第24話でこの曲が流れた時は、映像の美しさと登場人物たちの想いが重なって、胸の奥にじんと残るような感覚がありました。
本当に印象的なシーンだったので、あらためて見返したくなりますよね。
まだご覧になっていない方や、もう一度あの余韻を味わいたい方は、ぜひ第24話と一緒に「想い咲く時」も聴いてみてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!
※「薬屋のひとりごと」のオープニングテーマやエンディングも素敵ですよ。

