こんにちは。
すごく待っていました、この日が来るのを。2025年11月26日に突如始まったOfficial髭男dismサイトのカウントダウン、そして12月1日のサプライズリリース。
約7年ぶりのノンタイアップシングル「Sanitizer(サニタイザー)」は、誰かからの依頼からではなくって、今ヒゲダンが心の底から伝えたい想いが詰まった楽曲です。
「いい曲出来たから、RECしてリリースする」という藤原聡さんの純粋な言葉に、なんだか胸が熱くなりました。
今回は、Official髭男dismが歌う「Sanitizer(サニタイザー)」の心に沁みるような歌詞の意味をみていきますね。
『Sanitizer(サニタイザー)』の歌詞の意味を詳しく!
タイトル『Sanitizer(サニタイザー)』は
どういう意味ですか?
『Sanitizer』は、直訳すると「消毒剤」や「殺菌剤」を意味します。
でも、この記事の中では日常生活でイメージしやすい「消毒液」という表現を使用しますね。

❖メンバー4人の日常が映し出されていて、とても素敵なMVですよ。
※個人的な感想をもとに歌詞の意味を考えています。「そこはちょっと違う」と思われるかもしれませんが、「そんな考えもあるのかな」と思っていただけると嬉しいです。
エタノールに浸して
引用元:Apple Music「Sanitizer」
差し出したいろんな潤い
荒れた肌に沁みて痛い
胸の奥は知られたくない
でもここはせめてこの時間だけは
湿度と暖かさに満ちたい
弱音はいつまでも吐きたい
吐きたがる僕が僕は嫌い
休養から復活、そして今
『Sanitizer(サニタイザー)』(消毒液)という言葉から、2023年からの出来事が思い出されます。
それは、日本武道館公演で藤原聡さん(ボーカル)の声が途中ででなくなり、2023年3月11日に声帯ポリープを発症されて、療養のためライブ活動を休止するという悲しい出来事です。
でも、その後大変な時期を乗り越えられて、2024年7月にファン限定ライブ、まさに約1年5ヶ月ぶりのライブで完全復活を宣言されました。
そして、2025年12月1日のサプライズリリースへと。
優しさが辛い
エタノールって傷を癒してくれるものなんですけど、肌荒れがひどいと痛く感じるのわかります。
でも歌詞の中では本当に肌荒れしている意味ではなくて、この「荒れた肌」というのは心の状態を言われてるのかなと思います。
心が傷付いている時は、「差し出したいろんな潤い」、例えば、誰かからの優しさだったり心のケアだったりが、逆に自分の弱さを見せることになるのでよけい辛く感じるのかもしれないですね。
だから、次のような感情がでてきても当然のような気がします。
「胸の奥は知られたくない」って。
矛盾してる気持ちがわかるフレーズ
「弱音はいつまでも吐きたい
吐きたがる僕が僕は嫌い」
ああ、こんな気持ちになる時ってよくあるなあと思えるフレーズです。
辛い気持ちを誰かに聞いてもらって楽になりたいし、助けてもらいたい。
だけど、いつも弱音ばっかり吐いてると、自分がすごく情けなく感じてくるので、やっぱり弱音なんか吐きたくないって思ってしまいます。
だから、愚痴っぽい自分なんて嫌な人だなあって。
矛盾してるけど、この気持ちよくわかります。
君の優しさに甘えて
引用元:Apple Music「Sanitizer」
大丈夫って言葉貰って
貰ったくせにすぐに落として
あれこれ求める痛み止め
逆剥けを繰り返す指先
抑えつけても暴れる期待
心にへばりつく病原菌
君にうつしませんように

心の揺れを表しているフレーズ
「大丈夫って言葉貰って
貰ったくせにすぐに落として
あれこれ求める痛み止め」
すごく悩んでいるときに、「心配しなくても大丈夫」と言ってもらえると、「そうだよね、こんな悪い状態はいつまでも続くはずないし」と自分を励ましたくなります。
だけどすぐ不安になってきて、もっといい解決方法があるんじゃないかって。
こんなふうに心が揺れ動いた経験は何回もあるかもしれないです。
些細だけど気になってしまう
「逆剥けを繰り返す指先」
ほんと、痛いんですよね”逆剥け”って。
大きな傷じゃないのになんでだろうと何度も思っちゃいます。
気になるから触る、触るからよくならない…この繰り返し。
触ったらだめだと分っているのに。
この繰り返しから「抑えつけても暴れる期待」のフレーズの意味を考えてみました。
例えば、”ダメだと思っていても期待してしまう”や”感情を抑えようとしてもコントロールできない”ということなのかな。
では、
何を期待しているの?
もう少し、”君”との関係に踏み込んで、考えてみますね。
Aメロで、弱音を吐きたいけど、弱音を吐くような自分は嫌だと言っています。なので、今は自己嫌悪な状態の僕だけど、君は僕のこと好きでいてくれるかなと期待しているのではと思います。
どう思われますか?
ささやかな願いが伝わるフレーズ
「心にへばりつく病原菌
君にうつしませんように」
「こんな僕の悪いところを、君にはうつしたくない」というささやかな願いが伝わってくるようなフレーズです。
ここでは、自分自身を「病原菌」とまで表現するような強い自己否定が感じられます。そんな自分のマイナスな感情を「君」に感染させたくないんだよって。
傷付くのは自分だけでいいからと言ってくれてるようで、切ない優しさが伝わってきますね。
Oh baby この渇きだけは
引用元:Apple Music「Sanitizer」
ここにある穴だけは
君に満たしてもらっちゃ
いけない気がするんだ
もう平気なフリすらしない
全てを洗い流した上で
格好つけて真っ当に
生きていたい
I’m baby 自分という人を
自分で守る事が
君を愛すという事の第一歩

「渇き」と「穴」って何を意味するの?
この2つは、どちらも満たされないない状態を意味しています。
「カラカラに乾いた心」、「心にぽっかり空いた穴」などとしてみると、心の状態がどうなっているのかよくわかりますね。
本当は、乾いた心に愛を注いでほしいし、心にできた穴を埋めてほしいって、本心では叫んでいるかもしれません。
だけど、君にそんなに甘えちゃいけないって自分に言い聞かせているのが、次のフレーズから分かります。「君に満たしてもらっちゃいけない気がするんだ」
とても控えめだけど、強くなりたいという感情が伝わってきますね。
最初に「Oh baby」と優しい呼びかけから、歌詞が進んでいくうちに弱い自分から強い意志を持った自分へとヴァージョンアップしていきます。
「格好つけて真っ当に
生きていたい」
もう迷いがない感じです。
タイトルとリンクするようなフレーズ
「I’m baby 自分という人を
自分で守る事が
君を愛すという事の第一歩」
1番の歌詞をここまでみてきたのですが、ふと『Sanitizer(サニタイザー)』のことを意味してるんじゃないのかなって、心の奥がちょっと震えました。
ウイルスから自分を守る役目がサニタイザー(消毒液)だとしたら、弱い自分を自分の強い心(消毒液とリンクする)で守っていくんだよという意味につながるのかな。
自分のことをちゃんとできていてこそ、人を愛せる資格があるんだよと言われている気もします。
ここまで歌を聴いてきて、全てが繋がったというか・・・ほんと、ヒゲダンてすごいなあ。
気づけば繋がれてた点滴
引用元:Apple Music「Sanitizer」
不甲斐ない僕を責める免疫
それでも増えていく病原菌
君に謝りたかったのに
Oh baby この痛みだけは
ここにある「嫌い」だけは
何に頼って治したとしたって
意味がないんだ

2023年を思い出されるフレーズ
2番の歌詞を聴いていると、2023年に聡君(ボーカル)の声が出なくなってバンド活動を中止した出来事を思い出されます。
その時のことを歌っているようで、すでに涙が止まらない状態です。
「不甲斐ない僕を責める免疫
それでも増えていく病原菌」
免疫って、本来は外敵(病原菌)を攻撃して自分の体を守ってくれるシステムなのですが、ここでは「僕を責める」って書いてあります。
これは、どういう意味なんだろうって考えてみました。
自分を守らなくちゃいけない免疫が自分を攻撃するというのは、例えば、期待に応えられない弱い自分の心を免疫が「これは、君の悪いとこだからやっつけるね」という意味かもしれないですね。
早く自分の弱い部分を無くしてまいたいんだけど、どんどん増えていってしまう。
「君に謝りたかったのに」
”そんなに自分を責めないで…謝らなくてもいいのに”と声をかけたくなるようなフレーズです。
一番辛いのはご本人なのに・・・
乗り超えよう
自分が感じる「痛み」や自分の弱さや「嫌なところ」は、誰かに頼って治すんじゃ駄目なんだというメッセージ。
「意味がないんだ」
自分で克服しない限り、また繰り返してしまうから。
本当に、そうだと思います。
だから、必死に乗り超えようとしている。
能天気な未来はいらない
引用元:Apple Music「Sanitizer」
たとえ苦しみにまみれたって
僕は僕に僕だけで勝ってみたい

時間が経てば自然と治るんじゃないかとか、何にも努力しなくても大丈夫なんじゃないかとか決して思わない。
”どんなに苦しくたって、自分の力で乗り越えてみせる”っていう気持ちが、強く伝わってくるフレーズですね。
『Sanitizer(サニタイザー)』を何度も聴いていると、私も心の底から強くなりたいと思えてきます。ほんと、勇気が湧いてくる感じ。
次は、少し先のフレーズにいきますね。
軟弱な自分を呪った
引用元:Apple Music「Sanitizer」
君はそれを笑った
また救われてしまった
逆剥けやヒビ割れだらけの手
シミや折れ目だらけのハートで
それでも笑みを浮かべるその目
僕は僕にとっての君に
ふさわしい僕に
ちゃんとなりたかったんだ
曲調が変わり「君」への気持ちが溢れてくる
「軟弱な自分を呪った
君はそれを笑った
また救われてしまった」
なんて自分て弱いんだろうと自己嫌悪になってたけど、「君」はそんな自分のことを笑顔で見守ってくれていたんだね。
「君」というのは、メンバーだったり家族だったりファンのみなさんだったり・・・
このフレーズは、”温かい人たちに囲まれて、僕の心は救われたんだよ”という意味に思えてならないです。
苦労が分かるフレーズ
「逆剥けやヒビ割れだらけの手
シミや折れ目だらけのハートで
それでも笑みを浮かべるその目」
「君」にすごく苦労をかけてしまったね、という気持ちが伝わってくるようなフレーズです。
それと同時に、「君」のことをすごく見てくれているんだなあって思います。自分が大変なときに、一生懸命に僕のことを支えてくれた「君」への愛情を感じます。
きっと、「君」の心はぐじゃぐじゃになって不安定だったはずなのに、いつも僕に会う時は優しい笑顔で接してくれたね・・・って。
だからこそ、次のフレーズが心に沁みます。
本当の気持ち
「僕は僕にとっての君に
ふさわしい僕に
ちゃんとなりたかったんだ」
このフレーズは、一番伝えたい気持ちなのかなと思います。
大切な「君」に、そして「君」が誇ってくれるような自分になりたかったんだって。
だけど、実際は弱い自分のせいで迷惑をかけてしまった。
ここでは、「ごめんね」と「ありがとう」の感情が溢れ出してきます。
なりたかったのになれなかった申し訳なさと、 それでも笑って受け入れてくれた感謝の気持ち・・・
胸が痛くなるくらい切ないです。
ぜひ、このパートを注目して聴いてみてくださいね!
そして、ラストのパートにいきますね。
そんな暑苦しい想いを
引用元:Apple Music「Sanitizer」
せめて表だけでも
拭いて綺麗にしてから
会いに行くよ
作成:Satoshi Fujihara
まるで、”伝えたいことはたくさんありすぎて、心の中は熱くなってるんだけど、ちょっとクールダウンして会いに行くからね”という気持ちで、締めくくられています。
「拭いて綺麗にしてから」というフレーズがあるので、『Sanitizer(サニタイザー)』というタイトルがより鮮明に心に残りますね。
まとめ
Official髭男dismの「Sanitizer」は、自己嫌悪と向き合い、そこから抜け出そうとする切実な想いを歌った楽曲です。
約7年ぶりのノンタイアップシングルとして、ヒゲダンが純粋に「届けたい」と思った音楽。そこには、声帯ポリープからの復活、困難を乗り越えた約1000日(996日)(※)の軌跡が重なり合います。
※2023年3月11日の活動休止宣言から、2024年7月の完全復活、そして2025年12月1日の「Sanitizer」リリース日までのトータル期間を数えてみました。
今回は、何かの物語とリンクしながら歌詞の意味を考えるのではなく、この楽曲から受け取るメッセージを素直に深掘りしてみました。
「自分を愛することから始めよう」というメッセージ。
ちゃんと受け取っていきたいと思います。
本当に素敵な楽曲に出会えて幸せです。
最後までお読みいただきありがとうございました!






